2018年は外国人投資家が日本株を大きく売り越しました。
東証が公表している日本株投資部門別売買状況の東証1部のデータでは「外国人」が5.39兆円の売り越しとなっています。
2018年の主な部門別売買状況は下記の通りです。
【買い越し】
- 投信:1.29兆円
- 事業法人(主に自社株買い):2.24兆円
- 信託銀行(主に年金):1.44兆円
【売り越し】
- 外国人:5.39兆円
- 都銀・地銀・生損保合計:1.09兆円
- 個人:0.31兆円
日本株投資部門別売買状況の推移はこちらをご覧ください。
ちなみに東証が公表している日本株投資部門別売買状況では日銀のETF買いのデータを確認することはできません。
ETFを委託注文で買うのではなく、ETFの設定となるため株式の売買データとしては証券会社の自己売買などのデータに含まれていることになります。
日銀のETF買いのデータは日銀のHPに掲載されており、2018年は6.5兆円を買入れしています。
通常、外国人が5兆円以上も売り越すとマーケットへの影響はかなりのものとなりますが、日銀がそれ以上の買入れを行っているので、それ程大きなインパクトはありませんでした。
それにしても外国人は2013年に14.65兆円の大幅買い越しをした後は、徐々に売りが優勢となっています。
外国人は過去30年近く、日本株への投資を増やしてきたので、既におなかいっぱいなのかもしれません。
日本株の保有状況を確認すると、外国人の保有シェアは1990年に4.2%しかありませんでしたが、2015年には31.7%まで上昇しています。
ほぼゼロから200兆円前後を保有するまでになっています。
- 日本株の保有状況のデータはこちらをご覧ください:一目で分かる日本株の部門別売買状況と保有状況(長期推移) - ファイナンシャルスター
1990年~2015年は持ち合い解消売りを外国人投資家の買いで吸収してきました。
持ち合い解消はかなり整理されましたが、外国人買いも以前ほど期待できない状況となっています。
かなりの金額を保有しましたので当面は売りバイアスがかかりそうです。
また、日銀の日本株ETF買いもどこかで辞めざるを得ないはずです。
既に25兆円も保有しており限界が近づいています。
今後、安定的に買い越しが期待できるのは事業法人(主に自社株買い)しかありません。
日銀のETF買いがストップし、外国人が大幅に売り越してくるような状況になると、マーケットはかなり厳しくなります。
そのため、今のうちに投資信託や個人の買い越しが増える政策が必要です。
個人的には確定拠出年金で一時払いのマッチング拠出ができればいいと思います。
例えばボーナス時に50万円を拠出するようなイメージです。
全額所得控除となるので税制メリットが大きく、割引で投信を買うようなものですのでリスクも取りやすくなります。
- 確定拠出年金のメリットはこちら:公的年金の仕組みと具体的支給例を分かりやすく解説 / iDeCo(イデコ)は必ず加入すべき - ファイナンシャルスター
証券業界は反対すると思いますが、マーケットが上昇すれば彼らもプラスになるはずです。