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2010年代のFRB「テーパリング」「利上げ」スケジュール忘備録

2021年7月現在、米国FRBの「テーパリング」「利上げ」がいつ始まるかが大きく注目されています。

2021年7月時点のコンセンサスでは2022年前半からテーパリングが始まり、2023年中に利上げが開始されるという予想となっています。

FOMC参加者の予想(平均)では2023年末までに2回の利上げがあり、2023年末のFFレート上限は0.75%となっています。

こちらのページでは2010年代の「テーパリング→利上げ」スケジュールから2020年代の「テーパリング→利上げ」のスケジュールを予想しています。

2010年代のFRB「テーパリング→利上げ」スケジュールを今後に当てはめる

「テーパリング」「利上げ」の開始時期やその期間は不確定要素が多く、予想は難しいですが、2010年代半ばの「テーパリング」「利上げ」の実績は1つの参考になると思います。

下記に2010年代半ばの「テーパリング」「利上げ」の期間を掲載します。

テーパリング・利上げ前回(2010年代)のスケジュール

上記の通りテーパリングが開始されたのは2014年1月ですが、2013年5月~6月には当時のFRB議長バーナンキがテーパリングを示唆する発言を立て続けに行いました。

少なくとも2013年6月時点で「今年後半には資産購入ペースを減速させ、慎重にだが段階的に来年前半は資産購入減額を継続して、来年半ばごろに終了」と具体的にコメントしていました。

その影響で長期金利は急騰し、株式市場にも大きな影響を与えました。

これがいわゆる「テーパータントラム(バーナンキショック)」です。

マーケットの混乱によりスケジュールは若干後ズレしましたが、結果的にテーパリングは概ねバーナンキのコメント通りとなりました。

そして、テーパリング終了後、1年2ヶ月が経過した2015年12月に利上げが開始されました。

よって、前回はテーパリング開始から利上げ開始まで約2年を要したことになります。

これを今回の予想スケジュールに当てはめるとこのようになります。

  • 2022年1月:テーパリング開始
  • 2023年12月:利上げ開始

2022年1月はおそらく今想定されている中で最短のテーパリング開始時期だと思われますが、これに当てはめても利上げ開始は2023年12月になります。

初回から0.5%の利上げは考えにくいので、2023年12月のFFレート上限は現在の0.25%から0.25%上昇した0.5%という事になります。

現在のFOMCの見通しは2023年12月で0.75%ですので若干タカ派的ですが、過去のパターンを当てはめてもそれほど違和感があるものではありません。

この辺のスケジュール感を頭に入れておきましょう。

FRBが利上げをしてもすぐに株価が下落するわけではない(日銀の利上げは要注意)

2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショック時、世界の株式市場は大きく下落しました。

米国株・日本株は共に50%~60%前後の下落率となりました。

2回ともマーケット環境が悪化する前にFRB・BOE・ECB・日銀といった世界の中央銀行が利上げを行っていました。

そして、2回ともFRB・BOE・ECBが利上げをした後、最後に日銀が利上げをしています。

その後、株式市場は大きく下落しました。

これは今後予想される「テーパリング」「利上げ」の参考になると思われます。

少なくともFRBが利上げを開始したからと言って、すぐにマーケット環境が変化するわけではないということです。

ITバブル期の利上げ開始時期です。

  • 1999年6月:FRB
  • 1999年9月:BOE
  • 1999年10月:ECB
  • 2000年8月:日銀
  • 2000年4月頃からマーケット環境が悪化傾向に

リーマンショック時の利上げ開始時期です。

  • 2003年10月:BOE
  • 2004年6月:FRB
  • 2005年12月:ECB
  • 2006年7月:日銀
  • 2007年11月頃からマーケット環境が悪化傾向に

上記を見てもFRBの最初の利上げからある程度経過してからマーケット環境が悪化していることが確認できます。

これは理解しておくべきです。

一方、日銀が利上げをした後は注意が必要かもしれません。

株式市場下落のトリガーは「テーパリング」or「利上げ」?

上記の通り、ITバブル崩壊・リーマンショックでは世界の中央銀行の利上げが1つのポイントになりました。

しかし、リーマンショック後、世界の中央銀行はこれまで行ってこなかった量的金融緩和を行っています。

その為、過去の金融引き締め局面では最初から「利上げ」を行いましたが、今後の金融引き締め局面では最初に「テーパリング」を行い、その後「利上げ」を行うことになります。

よって、株式市場にマイナスの影響が出てくるのは必ずしも「利上げ」ではなく「テーパリング」の可能性もありますので、その点は注意する必要があります。

ただし、その場合でも、FRBがテーパリングを開始したからといって、直ぐに株式市場に影響が出るものではないと思います。

FRB・BOE・ECBに続き、日銀がテーパリングを開始した時は注意が必要かもしれません。



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