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信用取引は投機であって投資ではない / ただし1.5倍までの低レバレッジならOK

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コロナウイルスの影響で世界中の株式市場が低迷し、日本株も漏れなく大幅下落となっています。

ただし、そうはいっても2020年2月27日時点の日経平均は21950円前後ですので、直近高値24,100円から8.9%しか下がっていません。

米国株の下落率も高値から12%程度です。(2020年2月27日時点)

2018年の年末にもありましたが、高値から20%程度の下落は調整の範囲内です。

しかも、米国株は過去最高値圈ですし、日本株もバブル崩壊後29年ぶりの高値圈での調整です。

よって、インデックスベースで国際分散投資による長期投資を行っている人にとってはほとんど気にならないレベルの下げです。

一方、ネット証券などで信用取引をしている投資家にとってはかなり厳しい下げになっているようです。

一般的な証券会社の信用取引では最大3.3倍までレバレッジを効かせることができます。

指数ベースでは10%前後の下げでも、個別銘柄では30%以上下落している銘柄が多く存在します。

また、個人投資家は大型株より小型株を好む傾向があります。

上記の通り、日経平均はバブル崩壊後29年ぶりの高値から10%前後調整しているだけですが、東証マザーズ指数は2018年2月の高値1,343ポイントから既に約2年間も下落トレンドとなっています。

現在の東証マザーズ指数は約750ポイントですので2年間の下落率は44%となっています。

そして、直近数ヶ月でも900ポイントから750ポイントまで約17%の下落率となっています。

仮に3倍のレバレッジで信用取引を行っていて、投資している株式が30%下落すると損失は90%となり、いわゆる「追証」が発生してしまうレベルです。

追加で現金入金でいきない場合は、いくらマーケットが安いと思っても建玉(信用で買っている株式)を売却する必要がでてきます。

放置した場合、翌々営業日の後場で強制売却となります。(このタイミングは証券会社によって異なるかもしれません)

このようなケースでは結果的に最も安いタイミングで売らされることが多くなります。

信用取引は儲かっている間は楽しいのですが、ある日突然、潮目が変わって悲惨な結果になるのを何度も見てきました。

個人的には1.5倍程度のレバレッジであれば投資効率も上がるので、最も理想的だと思っています。

ただし、信用取引を始めるとどうしてもレバレッジを高めたくなる衝動に駆られます。

よって、意思の強い人は1.5倍を上限に信用取引をやればよいと思いますが、意思が強くない人は最初から信用取引を行うべきではないと思います。

そして、これは株式に限らず他の投資対象でも同じことが言えます。

最も一般的なのはFXです。

FXはよく危険な取引だといわれますが、これはFX自体が危険なのではなく、高いレバレッジをかけることで危険になってしまいます。

FXは株式の信用取引より高いレバレッジが可能です。

個人口座でも最大25倍までレバレッジを高めることができます。(法人口座ではさらに高いレバレッジも可能です)

25倍のレバレッジをかけると投資対象の通貨が4%下落するだけで投資元本全てを失うことになります。

FXもレバレッジ1倍であれば、外貨預金やMMFと同じリスクです。

さらに外貨預金やMMFより取引コストが安かったり、円ショート(円高時に利益を上げられるポジション)が可能など、利便性が高くなっています。

FXも株式の信用取引と同様に1.5倍程度のレバレッジが最も理想的だと思いますが、こちらも意志の弱い人は最初からやめておいた方が良いと思います。

最近少しずつ浸透してきたCFDも同様です。

こちらもCFDが悪いのではなく、高いレバレッジが悪いのです。

うまく使えば低コストで非常に利便性が高い取引です。

株式の信用取引やFX・CFDで高いレバレッジを効かせて、儲かったときは本当に嬉しくてやめられなくなると思います。

しかし、そのやり方で長期に渡って利益を上げ続けるにはかなりの知識と経験が必要です。

知識・経験が伴っている人は問題ありませんが、普通の投資家には不可能です。

多くの場合、1回のクラッシュで過去の利益を全て失ってしまいます。

これまでの経験上、資産を大きく減らす人は信用取引・仕組債・怪しい投資ファンドのいずれかに投資しているケースが多いと感じます。

もちろん、金融資産のごく一部で投機と割り切って行う分には問題ありませんが、運用の中心は国際分散投資による長期投資で行うべきです。

国際分散投資による長期投資を行う際は下記のページも参考にしてください!

パフォーマンスアップに貢献できると思います。

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