結果的に米中貿易戦争によるマーケットの混乱でIPOを取り下げしましたが、下記は忘備録として残しておきます。
2018年12月25日に上場するレオス・キャピタルワークスのIPOについて分析します。
レオス・キャピタルワークスの運用資産残高の推移
レオス・キャピタルワークスの運用資産残高の推移はこちらです。
特に2017年3月~2018年9月に急増しています。
これは主にひふみプラスの販売会社増加による資金流入の増加が要因です。
それまでのトラックレコードが良好で多くの地方銀行などが販売会社に加わりました。
ただし、2018年10月以降は減少傾向となっています。
私募投信と投資一任契約ファンドは公開データがないので、ひふみ投信マザーファンド(ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金)の残高比較を掲載します。
ひふみ投信マザーファンド(ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金9の運用資産残高は2018年9月末頃をピークに減少しています。
具体的には、2018年9月26日がピークで8,396億円でしたが、2018年12月4日時点では7,667億円と約9%減少しています。
これは資金流出ではなく、マーケットの下落が主な要因です。
同期間の日経平均も約9%マイナスとなっています。
2018年12月4日時点の残高内訳はこちらです。
- ひふみ投信:1,348億円
- ひふみプラス:6,119億円
- ひふみ年金:200億円
- レオス日本小型株ファンド(一般投資家私募):約100億円
- 投資一任契約ファンド:約1,000億円
レオス・キャピタルワークスのバリュエーション分析
まず業績の推移です。
2019年3月期の予想EPSは90.67円です。
そして12/4に仮条件が決まり、1300円~1400円となりました。
これを見たとき、「えっ、何かの間違いでは?」と思いました。
なぜなら、届け出の際の想定価格が2,010円でしたので、30%以上も低く設定したのです。
想定価格からここまで下げてくるのも珍しいです。
投資家にとってはプラスで、この辺の空気の読みはさすが人気の運用会社というところです。
ソフトバンク(9434)にも見習ってほしいものです。
想定株価の2,010円では予想PERが22倍で割高感がありましたが、仮条件の水準では予想PERで15倍前後となり割高感はなくなりました。
ただし、上記に掲載したようにファンドの残高の伸びは止まっています。
今後、外国株の投信設定などを検討しているようですが、それらが具体化してこないと業績は横ばいとなる可能性があります。
また、運用残高は日本株のマーケット環境に大きく影響を受けるので、レオス・キャピタルワークスの株価は日本株市場の動きにリンクするはずです。
そう考えるとマーケット環境が良ければ最初は知名度などから若千人気化するかもしれませんが、新規のファンド設定などの材料が出ない限りは大きく上がることはないと思われます。
仮条件を1300円~1400円としたのは賢明な行動と言えそうです。