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日大・大相撲協会で感じた「運営に資本の論理が入らない組織の欠陥」

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日大・大相撲協会の問題を契機に学校法人・公益法人について考えてみました。

学校法人・公益法人は株式会社と違い、出資額に応じた議決権という考え方はありません。

評議員会や理事会における評議員・理事の人数により決議が行われます。

要は頭数で決まります。(日本らしいと言えばそうなんですが)

この事実をご存じない方も多いのではないかと思います。

ここで問題なのは学校法人や公益法人の経営にマイナスとなる出来事(不祥事等)が起きた場合でも、資本の論理による合理的な行動が行われない点です。

株式会社であれば経営上マイナスな出来事が起こると、会社の価値が低下し株式の価値も低下するため、株主から経営者に対して会社の価値を低下させないようにするガバナンス(統治)が働きます。

しかし、学校法人や公益法人ではこの機能が働きません。

よって、学校法人や公益法人の理事長や理事の立場では破綻さえしなければ、多少利益が減ったり一時的に赤字になっても、自分たちの地位を守る方が重要となります。

もちろん大半の学校法人や公益法人の理事長・理事は高い志をもって運営されています。

特に設立された当初は、発起人となっている理事長などはそれなりの立場のある人であることが多く、高い志をもって運営されます。

しかし、時間が経過し、代が変わっていくと一般の大企業と同様に仲良しグループを形成し、自身の保身が第一となります。

日大や大相撲協会も当初はもっと高い志で運営されていたはずです。

日大は志願者数の減少が予想され経営面でマイナス作用します。

また、ブランド価値の低下や学生の偏差値の低下などにより長期的にもマイナス要素が大きいはずです。

それでも理事長をはじめとする上層部は積極的な対応を行っていません。

大相撲協会は国技であるにもかかわらず、多くの国民の声を無視しています。

理事会の多くのメンバーは貴乃花という国民的スーパースターの価値を理解しているはずですが、声を上げると自分が干されるので、本当は良くないと思っていても見て見ぬふりをしています。

日大や大相撲協会は実体としては公共の団体です。

これが一部の人間の利益を守るために、本来あってはならない方向に進んでいることはおかしいです。

株式会社のような仕組みが難しいのであればまずは監督官庁の権限を強くしてもっと介入すべきです。

個人的には私立大学や大相撲協会のような団体は株式会社の仕組みに準じた形にすべきと思います。

少なくとも仲良しグループの意向だけで運営できる仕組みは変えるべきです。

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