債券・金利

逆イールド発生とTEDスプレッド上昇には注意しましょう

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足元、米国の金利マーケットが少しおかしな動きとなっています。

米国の長期金利が直近のピークを付けたのが2018/2/21で10年債は2.95%まで上昇しました。

2018/3/30時点では2.74%まで低下しています。

この間、2018/3/20にFFレートの引き上げ(1.5%→1.75%)があったこともあり、短期金利は上昇しています。

3ヶ月国債利回りは2018/2/21が1.64%、2018/3/30が1.71%です。

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上記のイールドカーブを見て分かる通り、イールドカープはフラット化しています。

米国経済は好調でFRBは年内にあと最低2回は利上げをするといわれていますが、長期金利はそれほど上昇していません。

債券市場は米国経済の見通しがそれほど良くないと考えているのでしょうか。

この動きがもう一段進むとイールドカーブが逆イールドになる心配もあります。

過去、逆イールドになったケースでは景気後退とマーケットの大幅下落が発生しています。

そしてもう1つ気になるのが3ヶ月LIBORの上昇です。

短期金利が上昇しているので、LIBORも上昇するのは当たり前なのですが、それを考慮してもLIBORの上昇が激しくなっています。

2018/3/30時点で米ドルの3ヶ月LIBORは2.30%まで上昇しています。

3ヶ月LIBORと3ヶ月国債の利回りの差はTEDスプレッドと呼ばれていますが、この水準がかなり高くなっています。

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通常、TEDスプレッドは0.3%未満で推移していますが、現在は0.6%まで上昇しています。

TEDスプレッドは大手金融機関の信用リスク(信用スプレッド)を表し、マーケットにストレスがかかると上昇します。

直近ではトランプ大統領誕生前の2016年9月に0.68%まで上昇しています

それ以上の上昇となるとリーマンショック前の2007年8月の2.40%やリーマンショック直後の2008年10月の4.63%となります。

現状では極端に心配するレベルではありませんが、イールドカーブ(逆イールドの可能性)とTEDスプレッドの上昇は注意してみておく必要があります。

万が一、この流れがもう一段進み、イールドカーブが逆イールドとなり、TEDスプレッドが2%前後となるとITバブル崩壊前やリーマンショック前の環境になってしまします。

心配し過ぎる必要はありませんが、頭の片隅に置いておく必要はあると思います。

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