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日銀のバランスシートが膨張(2017年5月時点の国債・ETF・J-REIT保有額)

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量的金融緩和政策の弊害で、日銀のバランスシートが大膨張しています。

日銀はインフレ率が2%程度になるまで量的金融緩和を継続するとしています。

日銀の国債・ETF・J-REITの年間買入れ額は下記の通りです。

年間の買い入れ額

  • 国債:80兆円
  • ETF(日本株):6兆円
  • J-REIT:900億円

日銀は2013年4月から買い入れを行っており、買入れ金額は何度か増額されてきました。

それにより日銀の保有額は大きくなり将来のマーケットリスクになるとも言われています。

日銀の買入れ金額の変遷は下記を参照してください!

2017年5月2日時点の日銀の国債・ETF・J-REITの保有残高は下記の通りです。

2017/5/2現在の保有額

  • 国債:434兆円
  • ETF(日本株):14兆円
  • J-REIT:4,000億円

国債は発行されている約1000兆円の40%程度を日銀が保有しています。

日本株はいくつかの銘柄で実質的に日銀が筆頭株主となっています。(実際には信託銀行名義となる為、日銀の名前はでてきませんが)

J-REITは個別銘柄を購入しているので5%を超えて保有している銘柄も多く、適時開示情報に出ています。

FRBやECBも資産買入れを行っていますが、対象は国債等の債券のみで、株式やリートを購入している中央銀行は日銀しかないでしょう。

国債の保有も、借金が多いと言われる日本の借金の40%を中央銀行が供給しているのはどう考えてもおかしいです。

これだけおかしいと言えるくらいの対策をしているのにインフレにならないのも考え物です。

このままいくと中央銀行の信頼性が低下し悪いインフレになることも想定されます。

そうなるとコントロールできない悪いインフレになりますので金融市場にもかなり影響が出ると考えられます。

しかし、だからと言って、金融緩和を中途半端にやめても何も解決しません。

金融政策だけではこれ以上は限界ですので、少し危険ですが財政政策も思い切ってやるべきかもしれません。

これは最近、政府関係者も注目しているシムズ理論の考え方です。

シムズ理論は、財政を改善するには増税をするのではなく、更に財政支出を増やすことでインフレを発生させ、実質的な債務を減らすというものです。

失敗すると大変なことになりそうですが、日本にはこの手法しか残されていないのかもしれません。

このままだと、日本が経済学の実験台になるかもしれません。

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