投信・ETF(株式型)

ESG関連ETFはバラエティに富んでいるがパフォーマンスはイマイチ

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ESG関連ETFが増加

ESG投資が注目されています。

ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字です。

ESG投資は売上や利益だけでなく「環境・社会・ガバナンス」面も考慮した銘柄選定を行う投資のことです。

もう少し詳しく説明すると、それぞれのテーマについて、いくつかの課題があり、その課題について積極的に取り組んでいる企業を高く評価しようとするものです。

テーマごとの課題は下記のようなものがります。

  • 環境(Environment):環境汚染、二酸化炭素排出量、地球温暖化対策
  • 社会(Social):労働環境の改善、女性の積極的活用、地域への貢献
  • ガバナンス(Governance):株主重視の経営、法令順守、情報開示(透明性)

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も2017年からESG投資を開始しています。

最近は債券の世界でもESG投資が話題になるようになっています。

今後も中長期的にESG投資が大きく拡大していくものと期待されています。

そして、東証に上昇しているETFのなかでもESG関連の銘柄が増加しています。

例えば大和投信が設定しているものだけでも、これだけあります。

  1. ダイワ上場投信一MSCI日本株女性活躍指数(WIN)(1652)
  2. ダイワ上場投信一MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(1653)
  3. ダイワ上場投信一FTSE Blossom Japan Index(1654)
  4. ダイワ上場投信一MSCI日本株人材設備投資指数(1479)
  5. ダイワ上場投信一JPX日経400(1599)

ファンド名を見ると非常にバラエティに富んでいるように見えます。

ちなみにGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2017年にESG投資を開始した際に選定したETFは下記の3本です。(上記5本の①~③です)

  1. ダイワ上場投信一MSCI日本株女性活躍指数(WIN)(1652)
  2. ダイワ上場投信一MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(1653)
  3. ダイワ上場投信一FTSE Blossom Japan Index(1654)

ESG関連ETFの組入れ上位銘柄

上記のESG関連ETFの組入上位10銘柄の一覧を掲載します。

ESG関連ETF組入れ上位10銘柄

かなり似たような銘柄構成になっています。

ソニー・KDDIは5つ全てのトップ10に入っています。

トヨタは4つ、花王・リクルートHDは3つでトップ10に入っています。

ESG関連ETFの商品名をみると何か期待を抱かせる名称になっていますが、中身を見ると大型株中心の無難なポートフォリオになっているのは少し残念です。

それぞれのテーマによってもう少し銘柄の特徴が出ると投資家も投資しやすいのではないかと思います。

ESG関連ETFのパフォーマンス比較

それでは次に各ESG関連ETFのパフォーマンスの比較を掲載します。(比較可能な2017年9月以降のパフォーマンス比較です)

ESG関連ETF比較チャート

組入れ銘柄上位と同様にESG関連ETFの商品名から抱く期待とパフォーマンスに乖離があるようです。

「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(1653)」以外はTOPIXとほとんど同じ動きとなっています。

これも非常に残念です。

「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(1653)」は特徴が少し出ていますが、それ以外の4銘柄はわざわざ投資する理由がありません。

これは日本の多くのアクティブファンドでも見られる現象です。

もう少し、銘柄選択のファクターを改良したり、組入れ銘柄数を減らしたりして特徴がパフォーマンスに現れるファンドを組成して頂きたいものです。

形だけのESG投資では大きく拡大することはなく、どこかで廃れてしまいます。

各ESG関連ETFは「特徴」と「パフォーマンス」を追求すべきです。

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