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LTCM破綻から20年、ロバート・マートン教授が日本で講演会/理論は役に立つのか

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アナリスト協会から講演会のお知らせがメールで届きました。

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伝説のヘッジファンドLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)が1998年10月に破綻してから20年が経過する2018年11月14日に、LTCMの運用メンバーの1人であったロバート・マートン教授が東京で講演会を行います。

この講演は勉強にはなると思いますが、実践で使えるかは非常に疑問です。

LTCMはソロモンブラザーズで副会長を務めたジョン・メリウェザーが発案し、2人のノーベル経済学賞受賞者を擁するドリームチームと呼ばれたヘッジファンドでした。

ノーベル経済学賞受賞者の2人はブラックショールズモデルの開発でおなじみのマイロン・ショールズとブラックショールズモデルを数学的に証明したことで受賞したロバート・マートンです。

LTCMは彼らの金融工学理論を金融マーケットで実践するためのヘッジファンドで、当初は高いパフォーマンスを上げていましたが、最終的には5000億円以上の損失を出して破綻しました。

その後、ジョン・メリウェザーとマイロン・ショールズはそれぞれ個別にヘッジファンドを立ち上げ、共に2008年のリーマンショック時に2度目の破綻を経験しています。

更にジョン・メリウェザーは2010年に3度目のヘッジファンドを設定しています。

1998年・2008年に続き2018年に破綻しないことを祈ります。

これらを見ると、ヘッジファンドは本当に無責任な仕組みだとつくづく感じます。

儲かればパフォーマンスフィーを受取り、失敗しても運用者に損失はなく、ほとぼりが冷めてから再度ヘッジファンドを立ち上げる。

もう少しルールを厳格にすべきだと思います。

そして、もう1つ感じるのは、経済学という学問はなかなか実践で役立つことは難しい分野だということです。

ノーベル賞には「物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞、経済学賞」がありますが、厳密には経済学賞はノーベル財団がノーベル賞とは認めていません。

個人的にも特に物理学賞、化学賞、生理学・医学賞等とは何か違う感じがします。

架空の理論とまでは言いませんが、実際の世の中で活用できないものにそれ程大きな価値は感じません。

ノーベル経済学賞受賞者が運用するヘッジファンドが2度も破綻し、金融界に多大な迷惑をかけてしまったことは経済学賞の価値を下げてしまったと言わざるを得ません。

ロバート・マートン教授はLTCM破たん後、ハーバードやMITの教授をしていたようですが、実戦で使える理論を確立できたのしょうか。

時間があれば講演会に参加してみようと思います。

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