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為替

GDPは約3倍になったが人民元はリーマンショック時と同水準

2018年7月27日

人民元/ドルがリーマンショック時の水準まで下落

人民元が1ドル=6.8人民元まで下落しています。

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この水準までの下落は2016年後半~2017年前半にもありましたが、さらに遡ると2008年のリーマンショック時と同じ水準です。

もともと、人民元は2005年まではドルペッグ制を採用しており1ドル=8.28元で固定されていました。

2005年7月から管理フロート制(管理された変動相場制)に移行し、2008年までは対米ドルで年率5%前後のペースで緩やかに上昇していました。

また、2008年のリーマンショック発生後、2010年までは人民元高による景気悪化を防ぐため1ド=6.83元で固定されました。

その後、1ドル=6.0元前後まで上昇しましたが、過去4~5年は軟調な動きとなっています。

経済成長と通貨の上昇は関係ない?ポイントはインフレ率

中国の名目GDPは2008年の4.6兆ドルから2017年は12.2兆ドルまで拡大しています。

経済規模が3倍近くに拡大したのに為替レートは同じ水準ですので、よく「経済成長すると通貨も上昇する」という説を唱える人がいますが、必ずしもそうなるわけではないようです。

日本の円は1973年の変動相場制移行後、1ドル= 360円から100円割れまで大きく上昇したので、新興国通貨も経済成長と共に上昇するはずという話を聞きます。

しかし、ドル円がここまで大きく上昇したのはオイルショック時の1970年代前半を除き、日本のインフレ率が低位安定していたことが大きいと言えます。

現在もそうですが、1980年代以降、日米のインフレ率は大半の期間で米国の方が高くなっています。

よって、購買力平価の理論から円高ドル安になりやすくなっていました。

現在の中国と米国のインフレ率の推移をみると日米の関係とは異なり、中国の方が高くなっています。

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よって、購買力平価の観点からは人民元高になりにくい環境です。

もちろん経済成長により通貨にとってプラスになる面も多くありますが、為替レートを語る上でインフレ率は非常に重要です。

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