投信・ETF(株式型)

長期で国際分散投資をする効果を検証/20年運用のバランスファンドで確認

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こちらのページでは、国内外の株式・債券に分散投資を行うグローバル分散型の投信の中で、最もトラックレコードが長い2つのファンドについて分析します。

これをみることで国際分散投資の有効性を確認することができます。

「フィデリティーバランス・ファンド」「ダ・ヴィンチ」で国際分散投資の有効性を検証

フィデリティが運用する「フィデリティ・バランス・ファンド」とゴールドマンサックス・アセットが運用する「ダ・ヴィンチ」で両ファンドともに約20年のトラックレコードがあります。

両ファンドとも国内外の株式と債券に投資するバランスファンドです。

違いは「フィデリティーバランス・ファンド」は為替ヘッジなし、「ダ・ヴィンチ」は為替ヘッジありとなっている点です。

よって、「フィデリティーバランス・ファンド」は通常の国際分散投資、「ダ・ヴィンチ」は為替ヘッジ付きの国際分散投資と考えていただければ結構です。

下記に両ファンドの基本ポートフォリオとパフォーマンスについて掲載します。

「フィデリティーバランス・ファンド」「ダ・ヴィンチ」のポートフォリオとパフォーマンス

基本ポートフォリオ

フィデリティ・バランス・ファンド

  • 日本株25%
  • 外国株25%
  • 円債30%
  • 外債20%
  • 為替は原則ヘッジなし

ダ・ヴィンチ

  • 日本を含む世界株40%
  • 日本を含む世界債券40%
  • 円キャッシュ20%
  • 為替は原則円ヘッジあり

パフォーマンス(2017/3/31現在)

フィデリティ・バランス・ファンド(1996/9/26設定)

  • 設定来リターン:+53.83%
  • 過去3年リターン:+12.18%
  • 過去3年標準偏差:10.22%

ダ・ヴィンチ(1997/12/1設定)

  • 設定来リターン:+37.92%
  • 過去3年リターン:+3.8%
  • 過去3年標準偏差:4.79%

ポートフォリオや設定日が異なりますので一概に比較できるものではありませんが、為替ヘッジなしのフィデリティ・バランス・ファンドの方がリターンが高くなっています。

フィデリティ・バランス・ファンドが設定された1996/9/26と現在のドル円レートはほぼ同レベルであるため、パフォーマンスの差は為替差益による差ではなく、ダ・ヴィンチの為替ヘッジによる為替コストの差が影響していると考えられます。

ただし、標準偏差はフィデリティーバランス・ファンドが約10%に対し、ダ・ヴィンチは5%未満となっており、為替ヘッジしている分、ボラティリティは抑えられています。

為替ヘッジの効果は出ています。

日本人が国際分散投資を行うことは有効

現在、日経平均は20,000円近くまで上昇していますが、この20年間、日本株に投資していたらほぼプラスマイナスゼロです。

逆に日本以外の国の株式はほとんどが大きく上昇しています。

上記の2ファンドのような国際分散投資をすることで日本以外の国の成長を享受することができます。

もちろん、リーマンショック時などは一定の下落率となりますが、日本以外の国にも投資することや債券にも投資することでリスクを分散できます。

その上で長期間保有すれば、一時的に下落しても上記のファンドのように利益を上げられる可能性が高まると思われます。

さらに株式市場や為替レートがある程度安いタイミングで投資すれば利益を上げられる可能性がさらに高まります。

いずれにしても長期で国際分散投資を行うことは利益を上げる上で有効と考えられます。

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