「ひふみ投信」は2021年1月29日時点で基準価格6万円超・残高6,000億円超という日本では珍しい「超大型・高パフォーマンス」投信です。
今後も更に基準価格の上昇や残高の増加も想定されますが、現在の状況を記録するために忘備録として掲載しておきます。
日本では珍しい超大型・高パフォーマンスファンド【ひふみ投信】
「ひふみ投信」はレオス・キャピタルワークスが運用する(主に)日本株に投資をする投資信託です。
正確には下記の3ファンドに分かれていますがマザーファンド(ひふみ投信マザーファンド)は共通です。
- 直販の「ひふみ投信」
- 銀行・証券会社等で販売する「ひふみプラス」
- 確定拠出型年金用の「ひふみ年金」
2021年2月8日現在、最も歴史が長い「ひふみ投信」の基準価格は63,001円まで上昇し、マザーファンド(ひふみ投信マザーファンド)の純資産総額は6,582億円まで拡大しています。
ちなみに2018年頃は8,000億円を超えていましたが、基準価格の大幅上昇により利益確定の解約が増加した(金融機関が解約させた?)ことで、一時期よりも残高は減少しています。それでも6,000億円超の残高は立派です。
ちなみに直販の「ひふみ投信」の残高はそれほど減少しておらず、大きく減少しているのは銀行・証券会社等で販売する「ひふみプラス」です。
過去、これだけの残高を集めながら、これだけ大きく基準価格が上場した投資信託は見たことがありません。
通常、パフォーマンスが良いファンドは残高が少なく、高いパフォーマンスにより資金が集まるとその後はパフォーマンスが悪化します。
ひふみ投信も一時期、残高の急増で相対的なパフォーマンスが低迷しましたが、再度復活しています。
日本の投信業界で「超大型」かつ「高パフォーマンス」のファンドは極めて珍しい存在です。
投信業界のユニコーンとも言えそうです。(ユニコーン=変わった存在)
ひふみ投信のパフォーマンス
最も歴史が長い「ひふみ投信」とTOPIX(配当込み)の比較チャートです。
2008年9月30日~2021年1月29日のパフォーマンスを比較すると「ひふみ投信」が大きく上回っているのは一目瞭然です。
- ひふみ投信:6.1倍
- TOPIX(配当込み):2.2倍
ただし、常にTOPIXを上回っていたわけではなく、例えば2018年1月~2019年6月の期間ではTOPIXの方が上回っています。
- 詳細はこちらを参照:「ひふみ投信」も残高増には勝てず、パフォーマンス悪化【2018年~2019年】
それでも、2020年に入りパフォーマンスは復活し、結果的に長期で抜群の成績を維持しています。
しかも、他のファンドと違ってファンドが大きくなってからも高いパフォーマンスを維持している点は特筆すべき点です。
そういう意味では投資家への貢献度も極めて高いと言えます。
「ひふみ投信」が高いパフォーマンスを維持している最も大きな要因はリサーチカだと思いますが、下記に掲載しているように外国株への投資など、様々な工夫の結果だと感じます。
今後どこまで行くか楽しみです。
個人的には基準価格が10万円を超えた投資信託を見たことがないので、期待しています。
ひふみ投信の特徴的なポイント
日本株だけではなく外国株にも投資
元々は日本株にしか投資をしていませんでしたが、運用資産の増加に対応するため、一部外国株にも投資をしています。
2021年1月時点でも約13%が外国株式等となっています。
これくらいの割合であれば、主に日本株に投資をするファンドというコンセプトからも乖離はせず、銘柄の選択肢が増える分、パフォーマンスや流動性にプラスに寄与すると思われます。
ちなみに2021年1月末時点の組入比率1位は中国の「bilibili inc」(ビリビリ)です。
過去1年で株価は5倍になっています。
日本からは買えない米国リートの個別銘柄にも投資
米国リート最大手のアメリカン・タワー(AMT)も保有しています。
アメリカン・タワーはJ-REITにはない「電波塔や携帯基地局」を保有するREITです。
時代の流れにマッチしたREITで長期に渡り大幅に上昇したことで、米国リート最大の時価総額となりました。
2020年2月8日時点の時価総額は1,034億ドル(10兆8,500億円)となっています。
J-REITは62銘柄合計で約15兆円、最大手の日本ビルファンドが約1兆円です。
1銘柄で10兆円を超えるREITがあるという事に驚かされます。
アメリカン・タワーのような時代にマッチした個別REITは非常に魅力的なのですが、日本の証券会社から購入することはできません。
- 米国リートの個別銘柄が購入できない理由はこちらを参照:米国リートの個別銘柄を日本で購入できるようにしてほしい【要望】
このような銘柄にもアクセスできる点もひふみ投信の魅力と言えます。