これまでも何度かお伝えしているように日本株は為替レートの影響を大きく受ける資産クラスです。
日本の大企業は輸出企業が多いため、為替レートによって利益が大きく変化します。
逆に言うと為替レートが一定であれば日本株も米国株のようにボラティリティがもう少し低くなると思われます。
日本株を考える場合、日本のマクロ景気よりも為替レートを考える方が重要です。(極論すると日本の景気はほとんど関係ありません)
2017/6/24の日経新聞に「日経平均」が「ドル円レート」と「PER」の変化でいくらになるかが分かるマトリックスが掲載されていましたので紹介します。(これは非常に便利です)
日経平均のPERは平常時であれば15倍前後が一般的です。
とんでもないリスクオフの状況になればPER10倍程度まで売られる可能性もありますが、通常の調整局面であれば図にあるように13倍くらいが下限と考えても良いでしょう。
よって、当面は為替次第で18,000円~25,000円と考えておけば良いでしょう。
ちなみにPER10倍で計算すると、1ドル=110円で14,200円、1ドル=105円で13,850円です。
極端なケースとして下限がPER10倍の13,850円、上限は1ドル=120円でPER18倍程度まで評価されて27,000円といったところでしょうか。
補足として、日経平均がPER10倍まで売られるということは、ドル円レートはかなりの円高になっている可能性があります。
以前のように1ドル=70円台になっているかもしれません。
ただし、ここまで行くと赤字になったりしてPERでは測れなくなります。
よって、とんでもないショック以外は上記のレンジで考えておいて、リーマンショック級を想定する場合はPBRを参考にするしかないでしょう。
さらに、ややこしくなって恐縮ですが、円高になるとBPS(1株あたり純資産)も低下するので、現在の基準のBPSやPBRは参考になりません。
このような理由もあるため、大きなショック時の株価の下限を事前に予想することは極めて困難です。
日本株がいかに為替レートに影響されるかを理解して頂けたでしょうか?
- 日本株のPER・PBRの推移はこちらを参照:日本株(TOPIX)と米国株(S&P500)の予想PER・実績PBR推移
- 日本株とドル円レートの比較チャートはこちらを参照:日経平均とドル円レート長期推移(チャート・変動要因)