NYダウが連日過去最高値を更新し、日経平均も21年ぶりの高値(本当は26年ぶり)水準まで達するなど日米の株式市場は絶好調です。
一方、米国REITとJ-REITは株式と比べると出遅れ感が強く感じられます。
- 米国REIT:配当利回りが3.8%、NAV倍率が0.96倍
- J-REIT:配当利回りが4.2%、NAV倍率が1.07倍
このようなバリュエーションですので特に割高感はありません。
長期金利が上昇しているのであればREITのパフォーマンスが悪くても理解できますが、米国の10年国債利回りは2.3%前後で低位安定しており、日本は日銀のイールドカーブコントロールにより10年国債利回りは0%前後で固定されています。
今後の不動産市況の悪化や金融マーケットのリスクオフを織り込んでいる可能性もありますが、少なくとも現状では日米ともに不動産市況は良好です。
これまでも株式が上昇している時にREITが上昇しなかったり、その逆でREITが上昇している時に株式が上昇しないことは何度も発生しました。
最終的に経済が安定していれば株式だけが上昇してREITが上昇しないということは考えにくいので、どこかのタイミングでREITも上昇するのではないかと考えています。
現在、REITの動きが悪い理由として投信からの資金流出が考えられます
過去数か月間、J-REIT関連の投信と米国REIT(グローバルREIT)関連の投信から大きく資金が流出しています。
これは金融庁が分配金利回りの高い毎月分配型投信を問題視したことが大きく影響しています。(正確には金融庁が問題視したことに対して、各金融機関が忖度をして勝手に販売自粛しています)
米国REIT関連の投信ではフィデリティ・USリート・ファンドB、ラサール・グローバルREIT、新光US―REITオープン(ゼウス)、ダイワ米国リート・ファンドといった大型の投信から毎月それぞれ200億円前後の資金流出が数か月間続いています。
2017年9月もこの4ファンドだけで合計1,000億円弱の資金流出です。
米国REITの時価総額合計は140兆円前後ですので、それなりのインパクトとなります。
J-REITの投信の資金流出は2017年7月が158億円、8月が132億円、9月が191億円となっています。
J-REITの時価総額合計は11兆円前後ですのでこちらもそれなりのインパクトになります。
このようにファンダメンタルとは全く関係ない需給要因が大きく足を引張る形となっています。
その結果、株式と比較するとREITは相対的に割安な水準となっています。
個人的には凄くチャンスだと感じています。
通常、このパターンはチャンスであることが多いです。
少なくとも当面マーケットがリスクオフになることはないと考えるのであればREITは狙い目といえそうです。
- J-REITのポイントはこちら:J-REIT・リサーチ・オープン/J-REITの投資環境
- 米国REITのポイントはこちら:新光US-REITオープン(ゼウス)/米国リートの投資環境・最新の見通し