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好調なマーケットはいつまで続くか、リスクオフのシグナルはイールドカーブに注目

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リーマンショック後の景気回復局面が9年目に入り、株式市場やクレジット市場は割高で、そろそろ大きな調整が入るのではないかといった話をよく聞くようになってきました。

しかし、そう言いながらNYダウは連日高値を更新し、日経平均も21年ぶり(実質的には26年ぶり)の高値水準となっています。

同様にハイイールド債、バンクローン、新興国国債、CoCo債などのクレジット関連商品もかなり割高(利回りは低下)な水準になっています。

普通に考えれば株式もクレジット関連も、少なくとも割安な水準ではないので少しずつキャッシュポジションにしていくのが望ましいと思いますが、ここから数年間上昇していく可能性もあるので本当に売り時は難しいものです。

リスクに敏感な投資家は売り上がりで徐々にキャッシュにしていけばよろしいと思いますが、そうでない投資家は何を目安にしてポジションを減らすべきでしょうか?

様々な指標が候補に挙げられますが、大きなマーケットの流れの中で景気がピークの時に現れるイールドカーブの逆イールドは覚えておくべきだと思います。

イールドカーブの逆イールドは滅多におきることはないので、逆イールドになる前にマーケットがリスクオフになる可能性もありますが、逆イールドが発生した場合はかなりの確率でリスクオフになります。

過去に国債のイールドカーブが逆イールドになったのは下記のタイミングです。

  • 2000年3月頃の米国債イールドカーブ
  • 2007年3月頃の米国債イールドカーブ
  • 1989年12月の日本国債イールドカーブ

2000年3月頃はITバブル崩壊前でその後NYダウは4割近く下落、2007年3月頃はその後リーマンショックが発生しNYダウは5割以上下落、1989年12月はまさに日経平均が過去最高値を付けたタイミングでした。

現在、日本国債はイールドカーブコント囗-ルを行っているので参考になりません。

米国債は2年債が1.52%、5年債が1.95%、10年債が2.32%ですのでイールドカーブは傾きは緩やかですが順イールドです。

ここからもし逆イールドが発生するとすれば、もう少し短期金利が上がる必要はあります。

FF金利は現在1.25%ですので、これが最低でも2%程度になる必要があると思います。

FF金利が2%程度になったうえで長期金利が少し下がるとフラットイールドカーブもしくは逆イールドカーブになります。

そう考えるとあと3回の利上げが必要ですので、今の利上げペースから考えると、逆イールドが発生するのは早くても1年後位でしょうか。

マーケットの大きな転換点を当てる指標として逆イールドを覚えておいて損はありません。

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