トルコリラは対米ドルで過去最安値を更新し1ドル=4トルコリラに迫る勢いです。
対円でも1トルコリラ=28円前後まで下落しています。
購買力平価との比較ではかなり割安な水準まで下落していますし、金利も10%以上ですのでそろそろ投資しても良い水準かもしれません。
新聞広告などでもトルコリラ建て債券の広告をよく見かけるようになりました。
金利が高いのでここから更にトルコリラ安が進んでも2年~3年スパンで保有すれば損益分岐点はかなり低くなります。
しかし、トルコリラのチャートを見るとひとつひっかかるのが長期で下落トレンドが続いているということです。
これはトルコリラに限らずメキシコペソや南アフリカランドなどインフレ率が高めの新興国通貨によく見られます。
こちらはトルコリラの対米ドルのチャートです。
トルコリラの場合、2010年頃までは1ドル= 1.5トルコリラを挟んで安定的に推移していましたが、2010年以降下落トレンドになっています。
これを見ると長期での保有は少し躊躇してしまいます。
- トルコリラの対円レートの長期推移はこちら:トルコリラ為替レート(円/トルコリラ、トルコリラ/ドル)長期推移(チャート・変動要因) - ファイナンシャルスター
ただし購買力平価説で考えるとインフレ率が高い通貨は長期的に減価していくのはある意味当たり前で、その分金利も高くなりますので一概に悪いとは言えません。
金利込みではもっと良い見栄えになります。
それでも長期的には下落トレンドですので感覚的には長期投資ではなく長くても2年位でリバウンドを狙った投資が賢明かと思います。
また以前にも掲載しましたが現在のトルコのインフレ率は10%を超える水準です。
そのため金利が高いと言ってもインフレ調整後の実質金利でみるとそれ程高いわけではありません。
逆に考えるとインフレ率が落ち着けばかなりのリバウンドも期待できるかもしれませんが。。。
- トルコリラについての以前の記事はこちら:トルコリラ急落は対米関係の悪化が原因 / トルコリラは買いか
最後に、上記で多くの新興国通貨は対米ドルで長期下落トレンドと書きましたが、例外的にブラジルレアルはそうではなくある程度レンジでの動きとなっています。
こちらがブラジルレアルの対米ドルのチャートです。
トルコリラとは違い、一定のレンジでの動きとなっており、長期下落トレンドではありません。
よってブラジルレアルの方が長期投資には向いていると思われます。
ちなみに高金利の力は凄く、現在1レアル=34円程度ですが、2008年の過去最高値1レアル=70円で購入してもトータルリターンでは大きくプラスです。
- ブラジルレアルの高金利による円高抵抗力はこちら:ブラジルレアル投資の良さが分かる投信 / UBSブラジル・レアル債券投信
更に現在はブラジルのインフレ率が落ち着いており実質金利も高い水準です。
リバウンド狙いは大きく下げたトルコリラ、高金利通貨の長期投資はブラジルレアルでどうでしょうか。