H株指数の改革が始まった
いわゆる中国H株指数、正式名称は「ハンセン中国企業株指数(H株指数)」です。
H株は中国本土で登記されている純粋な中国企業で香港上場の銘柄です。
H株指数は2018年3月から改革が始まっています。
これまでH株指数の構成銘柄はその名の通り、H株のみで構成されており、時価総額と流動性の観点から40銘柄を選んでいました。
H株指数は時価総額加重平均で算出されていることもあり、4大銀行や保険会社をはじめとする金融セクターが大半となり、ニューエコノミー銘柄が少ないことから指数として評価が低くなっていました。
そこで、2018年3月から構成銘柄数を50銘柄とし、H株以外のレッドチップとPチップから10銘柄追加しました。
この10銘柄にはテンセントやチャイナモバイルも含まれており、指数のイメージが随分と変化しました。
レッドチップ・Pチップの10銘柄の組み入れ比率は当初それぞれ最大2%に制限されていますが、徐々に拡大し2019年3月までに最大10%とH株と同じ制限とします。
その結果、2019年3月には指数に占めるレッドチップとPチップの比率が約30%となる予定です。
これまでのオールドエコノミー指数から香港市場全体を表現する指数に変貌することになります。
- 中国の株式市場についてはこちらに詳しく掲載しています:中国株式市場の仕組みを分かり易く解説 / 香港・上海・深セン / A株・B株・H株 / ハンセン・レッドチップなど - ファイナンシャルスター
H株のバリュエーションが過去最低水準(2018年7月時点)
H株のバリュエーションは予想PER7.46倍、PBR0.93倍といった水準です。
H株の過去の予想PERとPBRの推移はこちらです。
銀行の不良債権問題が表面化すれば、資本が毀損してバリュエーションも高くなるのかもしれませんが、インデックスのPBRが1倍割れはさすがに安いと感じます。
バリュエーション的に安くて、指数も改革されています。
米中貿易戦争の行方を確認してからでも良いと思いますので注目しておいてください。
H株指数に投資するにはETFが最も手頃ですが、上場インデックスファンド中国H株(1548)は2018年3月に償還となっており、国内ETFでは2倍レバレッジのハンセン中国企業株レバレッジ指数(1572)のみです。
海外ETFでは香港に上場している「HANG SENG H-SHARE INDEX ETF(02828)」が購入可能です。