世界のシステム上重要な銀行(G-SIBs:Global Systemically Important Banks)の株式時価総額をランキングしてみました。
- G-SIBsの自己資本比率と債券の格付け一覧はこちらをご覧ください:CoCo債で重要 / 世界の大手銀行の自己資本比率(Tier1比率・普通株式等Tier1比率) - ファイナンシャルスター
上位は米国と中国の銀行が独占しています。
米国の大手4社(JPモルガン・バンカメ・ウェルズファーゴ・シティ)と中国の4大銀行に加えHSBC。
HSBCは本社はイギリスですが、ビジネス面では中国(香港・上海)がメインの銀行です。
米国・中国以外ではやっと10位にスペインのサンタンデールが出てきます。
ただし、9位の中国銀行と10位のサンタンデールでは時価総額に大きな差があります。
よって、世界の銀行は「9大銀行」と言ってよさそうです。
日本のトップは12位の三菱UFJFGですが、3メガバンクの時価総額を合計しても1,678億ドルで8位のシティグループと同じ水準です。
- 全企業の時価総額ランキングはこちらをご覧ください:時価総額ランキング上位企業(1992年と2017年)【データ更新】 - ファイナンシャルスター
これをみると米・中と欧・日では金融機関の力の差が大きくなったと感じます。
もちろん銀行の時価総額は経済規模に影響を受けますが、経済規模の差の何倍もの大きな差がついています。
ただし、中国の場合は過去に日本の銀行が経験した①金利自由化による利ザヤ縮小、②不良債権問題などのリスクがあり今後は注意が必要です。
日本の銀行もバブル時代は今よりもはるかに大きな時価総額でした。
そして、もう1つ注目すべきはランキング最下位のドイツ銀行です。
ドイツの銀行で唯一G-SIBsに選ばれているドイツ銀行の時価総額が僅か2兆円前後とは驚きです。
日本の3メガで最も時価総額が小さいみずほの半分以下です。
ドイツ銀行の株価は、リーマンショック後の安値を大きく下回り、過去最安値を更新中です。
ピークから1/10の水準です。
ここまで株価が下がるとドイツ銀行ショックが起こらないか心配になります。
破綻しなければある程度リバウンドすると思いますが、増資による希薄化リスクもあります。
ドイツ銀行への投資を検討する際はCoCo債という手もありますので下記を参考にしてください。
最後に、上記のランキングで最も印象深いのは米国の強さです。
トランプ大統領は心配ですが、米国という国は本当によくできた国だと感じます。