米国株はリーマンショック後の大幅下落から上昇を始めて10年目に突入しています。
リーマンショック前のS&P500の高値は2007年10月の約1560ポイントでしたが、現在は2840ポイントまで上昇しています。
2009年3月のボトムは670ポイントでしたので、その安値から4倍以上、前回高値からみても約80%の上昇となっています。
PERなどのバリュエーションはそれ程高いわけではりませんが、上昇期間が長いこともありそろそろ大きなショックがあるのではないかといった声をよく聞きます。
- 米中貿易戦争
- 中国債務問題
- トランプリスク
- Brexit
- GDP対比で株式の割安感がなくなった
等々、普通に考えると大きな調整があってもおかしくないと言いたくなるのは理解できます。
確かに名目GDP対比の株式時価総額などを見ると、少なくとも大幅に割安な状態ではありませんので、株式のウェイトを大きくとる局面ではありません。
しかし、ここが株式投資の難しいところで、今後調整があったとしても、現在から2倍になってから30%下落するかもしれません。
それであれば今買っておいた方が賢いということになります。
30%を超えるような大幅な調整というのは、過去を見てもそれほど頻繁にあるわけではありませんので、いつ下落するかを当てることは非常に困難です。
よって、現在のようなマーケット環境では、本来株式に投資したいと考える比率の1/3程度にウェイトを落として投資するのが良いでしょう。
そして、実際に30%下落したら、そこで1度追加投資(ナンピン買い)を行い、さらに10%~20%下落したら2度目の追加投資(ナンピン買い)を行います。
本当に長期で投資できるのであれば今、100%株式に投資しても良いのかもしれませんが、現在は少なくともすごく割安な状態ではないので上記のような手法がお勧めです。
ちなみにS&P500が30%以上下落しだのは1920年代まで遡っても7回しかありません。
最も長い時は30年間大幅な調整がなかったこともあります。
1938年3月~1968年10月まで30年以上も上昇相場が続きました。
直近では1974年9月~1987年8月と1987年11月~2000年3月は共に約13年間上昇相場が続きました。
これをみると10年の上昇相場は特段、異例の出来事ではないようです。
- 米国株の長期推移についてはこちら:米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去7回 - ファイナンシャルスター
資本主義が崩壊すると考える場合は別ですが、そうでない場合は長期的には株式に投資することはプラスになるはずですので、一部でも保有した方がベターです。
心配な方は上記のナンピン前提の投資法をお勧めします。
- 米国株を取り巻く環境はこちら:投信のセールストークとリスク:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信