J-REITは2018/2/1現在、59銘柄が上場されています。
直近では2018/2/7にCREロジスティクスファンド投資法人(3487)、2/15にザイマックス・リート投資法人(3488)が新規公開(IPO)されます。
逆に少し先ですが、2018/5/1に積水ハウス・リート投資法人(3309)と積水ハウス・レジンデンシャル投資法人(8973)が合併することで銘柄が1つ減少します。
J-REITは2001年にスタートし、2007年~2008年上期には銘柄数が41銘柄まで増加しました。
リーマンショックの影響で破綻したりートや実質的に破たんして吸収合併されたりート等が続出し、2012年3月には33銘柄まで減少しました。
この間、信用力の劣るスポンサーのリート等が淘汰されるなどしてJ-REIT市場は健全な方向に修正されました。
- J-REITの破たん例はこちら:J-REITの破綻(ニューシティ・レジデンス)、J-REITの実質破綻(日本レジデンシャル) - ファイナンシャルスター
それが2012年以降、アベノミクスによって株式市場と同様にJ-REIT市場も好転する中、新規公開が増加して銘柄数が増えてきています。
銘柄数が増えることで投資対象が多様化し、時価総額も増加することでJ-REITにとってはプラスになりますが、以前のように信用力の劣るスポンサーのリートが増えてしまってはリーマンショック時と同じことを繰り返すだけになる可能性もあります。
また、いかにもイグジット(EXIT)案件のようなリートのIPOも困ります。
REITは悪く言うと、スポンサーが物件をコントロールしながら、リスクは投資家に転嫁できるスキームです。
よって、マーケットが上昇するとREITを設立して物件を売却するインセンティブが高まります。
もちろん多くのREITはその後も、スポンサーから(若干安い価格で)物件の供給を受け、外部成長することで投資家にリターンを提供しようと頑張っています。
しかし、一部のREITではIPOの後、外部成長をせず時価総額が小さいまま放置されているようなものもあります。
これではただ保有物件を売りたいからREITを作ったと言われても仕方ありません。
J-REIT市場の長期的な成長のためには、上場ハードルをもう少し上げても良いと思います。
J-REIT全体の時価総額が10兆円を軽く上回っているなかで、時価総額が100億円~300億円の銘柄が増えてもマーケット的にはほとんどプラスになりません。
流動性等を考えて新規公開時から時価総額が500億円以上の銘柄しか上場できないようにしても良いと思います。
同時に、外部成長のプランをしっかり公表させるべきです。
訳の分からないスポンサーのイグジットの為の上場は排除すべきです。