原油価格が回復傾向にもかかわらずMLPのパフォーマンスが冴えません。
ちなみにMLP市場で大部分を占めるのは貯蔵施設や輸送設備を保有する、いわゆる「中流MLP」です。
具体的にはパイプライン等の利用料が収入の大部分になります。
パイプラインの利用料は長期契約で、パイプラインの中を通った原油の量で利用料が決定します。
そして、パイプラインを通る原油の量は原油価格とは相関が高くありません。
よって、MLPのキャッシュフローは本来、原油価格の影響をほとんど受けません。
しかし、チャートを見るとお分かりになるように過去のMLPの推移は原油価格にかなり影響を受けていると言えます。
イメージ的な部分や探査や開発を行う上流MLPも若干含まれることで、原油価格の影響を受けています。
ただし、足元のチャートを見ると原油価格が上昇しているにも関わらずMLPの下落が止まりません。
過去のデータからもあまり見られなかった状況です。
足元のMLPの下落要因は
- 米国の個人投資家による損だしの売り
- 一部のMLPの決算が想定を下回ったこと
が要因といえそうです。
米国株が過去最高値を更新している状況でMLPは大きく下落し含み損を抱えている状況であることから節税のために損出しの売りが出やすい環境です。
しかし、これは時期的に12月の上旬までにピークが来るのが一般的ですのでほぼ織り込んでいると考えられます。
MLPの決算についても設備投資が2017年でピークとなり、今後は収益の回収局面に入っていきます。
よってMLPは2018年以降も増配が予想されています。
市場コンセンサスでは2018年、2019年共に6%強の増配となる見通しです。
足元のアレリアンMLPインデックスは258と2016年2月につけた安値の203から+28%の水準です。
一方、WTI原油価格は2016年2月の最安値1バレル=27ドルから2倍以上上昇した58ドルとなっています。
もちろんその前の下落はWTI原油価格の方が大きいのでリバウンドも大きくて当たり前ですが、それでも少しMLPが安すぎるように感じます。
チャートの動きからアレリアンMLPインデックスで300~325程度まではリバウンドしそうです。
騰落率で言うと20%~30%程度です。
もちろんその後、MLPの収益環境の理解が進めば中長期的に更なる上昇も期待できます。
また、現状の配当利回りは約8%あります。
よって、この辺りでMLPにエントリーするのが良いのではないでしょうか。
- MLPについての詳しい内容はこちら:米国エネルギーMLPオープン(エネルギー・ラッシュ)/ MLPの投資環境