投信・ETF(債券型)

低ボラティリティマーケットでCTAの運用成績が低迷

投稿日:2017年9月6日 更新日:

ヘッジファンドの運用戦略の1つであるCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー:Commodity Trading Advisor)のパフォーマンスが低迷しています。

CTAの世界で著名なファンドである「マンAHLダイバーシファイド」と「ウィントン・フューチヤーズ・ファンド」の過去5年半程度のトラックレコードです。

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見方によっては中期的に右肩上がりとも言えますが、特に「マンAHLダイバーシファイド」はプラスになっだのは2014年のみで、残りの期間は年間パフォーマンスはマイナスとなっています。

特に過去2年~3年のパフォーマンスはかなり悪いものとなっています。

ヘッジファンドで3年マイナスが続くとかなり厳しいです。

マン、ウィントン共に1兆円を超える超大手ヘッジファンドですがかなり資金流出が続いているようです。

CTAの場合、トレンドフォロー型の運用を行うため、相場が必ずしも上昇する必要はありませんが、大きく変動してもらう必要があります。

相場が上でも下でもトレンドを持って動いてくれればパフォーマンスが高まります。

マンとウィントンが共に2014年のパフォーマンスが良いですが、この年は他のCTAも良いパフォーマンスとなっています。

この年の高パフォーマンスは「ドイツ国債の利回り低下(債券価格上昇)」と「原油価格」の下落が要因です。

10年ドイツ国債の利回りは2014年の年初に約1.9%でしたがECBの量的金融緩和政策で2014年年末には0.5%まで低下しました。

WTI原油価格は2014年6月に1バレル= 105ドルであったものが2015年の1月には1バレル=45ドルまで下落しました。

ドイツ国債の買いポジションとWTI原油の売りポジションで利益を上げたことになります。

共にほぼ一直線のトレンドで推移し、さらにこの2つは流動性が高く、大きな資金を振り向けることができたことも大きいと考えられます。

ここ2年~3年はなかなかトレンドをもって動く資産クラスが少ないので、苦戦するのも仕方ありません。

CTAはリーマンショック後もパフォーマンスが良かったようにリスクヘッジ商品としては有効だと思います。

日本の公募投信で流行したのも2008年~2010年頃でした。

もし、今後グローバル株式が下落する可能性があると考える場合は、CTAに一部シフトすることも有効と考えられます。

現在、日本で購入できるCTAの投信はほとんどないと思いますが、ラインアップしておいても良いのではないでしょうか。

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