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新規株式公開(IPO)の配分は不公平

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日経新聞によると2017年1〜6月に新規上場した国内企業は39社で2015年の43社、2016年の40社に次ぐ多さだそうです。

公開価格と初値を比較すると値上がりが35社、値下がりが4社です。

値下がりした銘柄で大きくマイナスになったものはなく、全て10%未満の下落です。

値上がりした銘柄では4倍以上になったものもあり、21銘柄で2倍以上となっています。

よって、新規公開株は誰もが欲しがるプラチナチケットです。

しかし、一般の投資家がゲットする事は予想以上に難しいのが実情です。

一般の投資家が新規公開株を申し込む場合、ネット証券で申し込む人が大半と思われます。

しかし、新規公開株の主幹事証券は野村証券をはじめとする総合証券が大半で、ネット証券は幹事証券として入る事もありますが、配分は2〜5%のレベルです。

(最近はSBI証券も頑張って主幹事が増えていますが)

公開する会社の規模や増資額によりますが、最低株数を配分しても数人〜数十人です。

これではネット証券で申し込んでもなかなか抽選に当たりません。

それでは総合証券に口座を作って申し込むと当たりやすいかというとそうではありません。

総合証券の場合、全ての株数を完全に抽選しているところはおそらく稀で、一般的には顧客を選んで配分しています。

そのため、口座開設をして「最低でも3000万円以上預けるからIPOください」と言えばもらえるかもしれませんが、小口の投資家に回ってくることは、まずありません。

さらに何回もIPOを配分してもらうには数億円単位の取引をして、相応の手数料を落とさなければなりません。

これが現実です。

しかし、これは一種の損失補填や利益供与であり、早くやめるべきと感じます。

金融庁はフィデューシャリー・デューティ関連を厳しく取り締まっていますが、こちらを規制しない理由がよく分かりません。

そう指摘すると「IPOは必ず儲かるものではありません」と言いますが、今の時代、ネットでIPOを専門に扱っているサイトがいくつもあり、上がるか下がるかはほぼ確実に分かります。

どちらか判断がつかないものは避ければ良いだけです。

特に大きく上昇するものは100%といってもいい確率で分かります。

これでも利益供与ではないといえるでしょうか?

金融庁は分配型投信の規制などに力を入れていますが、IPOの配分を規制すべきだと思います。

同時に超小型株を大量に上場させる姿勢も改めてほしいと思います。

上場銘柄数が日本と米国でほとんど変わらないというのはどう考えてもおかしいと思います。

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