オーストラリアの2017年1-3月の実質GDP成長率が前年同期比で1.7%のプラスとなりました。
103四半期連続でリセッション(景気後退)を回避したことになり、オランダの記録に並んだそうです。
リーマンショック時も含んだ約26年間の経済成長ですので大したものです。
ただし、これは余程のことがない限り予想されていたことで、先月の記事で一度このようになりそうだと紹介させていただいています。
今回、正式にデータが発表されたわけですが、1.7%のプラスという実質GDP成長率自体はオーストラリアにとっては低い数字で、2009年7-9月期以来の低水準だそうです。
豪ドルの為替レートを考える場合、オーストラリアの利上げが気になるところですが、この成長率では利上げの材料にならないようです。
ただし、政策金利を考える上ではインフレ率が重要なポイントになってきますが、こちらは少し利上げが期待できる状況になってきました。
オーストラリア準備銀行のインフレ目標は2~3%ですが、2014年11月以降オーストラリアのインフレ率は2%を下回る水準が続いていました。
2016年6月には1.0%まで低下していました。
しかし、直近インフレ率は上昇傾向で2017年3月のCPI(消費者物価指数)は2.1 %と2014年10月以来の2%超えとなり、インフレ目標値のレンジ内に入ってきました。
現在、オーストラリアの利上げは2018年中頃がコンセンサスですが、インフレ率がもう少し上昇すると時期が早まる可能性が出てきます。
逆に2018年半ばまで利上げが遅れると、米国との金利逆転現象が起きそうです。
現在、オーストラリアの政策金利が1.5%、米国の政策金利が1.0%です。
米国は6/14,15のFOMCで0.25%の利上げが確実視されていますので、まもなく1.25%となります。
さらに少しトーンは下がってきていますが2017年内にもう一度利上げが行われる可能性がかなり高いです。
そうすると年内に米国とオーストラリアの政策金利が並ぶことになります
そして2018年前半には米国の政策金利の方が高いという現象も想定されます。
これは中々発生しない現象です。
米国とオーストラリアの金利逆転の影響は前回の記事を参照してください。
直接的に影響しているかどうかは不明ですが、過去のデータでみると2000年前後など米国とオーストラリアの金利が逆転した場合、豪ドルが安くなっています。
個人的にも、仮に豪ドルの金利が米ドルの金利よりも低くなった場合に、わざわざ豪ドルに投資するのかと考えてしまいます。
米国とオーストラリアの金利逆転には注意です。