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原油価格が大きく下落した場合の戦略

投稿日:2017年5月12日 更新日:

  • 原油価格はOPECの減産vs米国のシェールオイルの増産で綱引き
  •  1バレル=50ドル台で安定推移していた原油価格が下落基調となっています。

    2017/5/11時点で1バレル=47ドル前後です。

    2016年2月に1バレル=25ドルまで下落した際は、多くの金融商品にも影響を与えてきたので注意が必要です。

    MLP、ハイイールド債、バンクローンは大きく原油価格が下落すると影響を受けますが、その際はチャンスでもありますので覚えておきましょう。

    原油価格下落で影響を受ける資産クラス

    MLP

     MLP(中流MLP)のキャッシュフローは本来、原油価格の影響をほとんど受けませんが、原油価格が下落すると思惑で売られてしまいます。

    大きく原油価格が下落して、MLPが売られた時は購入するチャンスです。

    これまでも原油安で連れ安し、その後リバウンドしたケースが何度かありました。

    MLPの安定したキャッシュフローの推移は下記を参照してください。

    MLPの年間配当は対前年比で1999年〜2016年まで一度もマイナスになったことがありません。

    ハイイールド債・バンクローン

    原油価格が下落するとエネルギーセクターのデフォルト率上昇懸念から下落することがあります。

    インデックスベースではハイイールド債の方がバンクローンよりエネルギーセクターのウエイトが高くなっています。

    2016年2月に1バレル=25ドルまで下落した際、ハイイールド債は15%前後下落、バンクローンは10%程度下落しました。

    しかし、デフォルト率は極端には上昇せず、デフォルトした場合でも一定の回収が見込めることもあり、その後大きく反発しました。

    よって、こちらも原油価格につられて下落した場合は、購入のチャンスといえます。

    原油価格はOPECの減産vs米国のシェールオイルの増産で綱引き

    原油価格はOPECの減産と米国のシェールオイルの増産の綱引きです。

    OPECの減産は2017年6月末までとされていますが、おそらく延長されそうです。

    米国のシェールオイルは技術革新により生産コストがどんどん下がっているようです。

    数年前は1バレル=80ドル以下では採算が合わないと言われていましたが、現在は1バレル=50ドル前後でも増産しています。

    原油価格はどちらかというと下方バイアスがかかると思われますが、極端な下落で上記のMLP、ハイイールド債、バンクローンなどが連れ安した際はチャンスと思われます。

    原油ETFは投資対象が原油先物であるため、ロールコストがかかり、思うようなパフォーマンスにならないことが多いです。

    そのため、原油安のリバウンドを狙う際は、MLP・ハイイールド債・バンクローンも検討してみてください。

    また、ロシアルーブルは「金利付き原油」と呼ばれるほど原油価格との相関性は高くなっています。

    こちらはリバウンド狙いというよりも中長期的なリターンを狙う時に使ってみてください。

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