NISAの累計投資額が3年で10兆円を突破したようです。(2017年現在)
政府は2020年までに累計投資額を25兆円とする目標を掲げています。
今後3年で15兆円の増加ですのでマーケット環境にもよりますが、全く不可能な数字ではありません。
家計の金融資産のうち株式投信は約60兆円、株式は150兆円です。
株式投信は海外リートや外債関連を中心に緩やかな増加基調ですが、全体ではここ数年横ばいです。
日本株は個人投資家は平均すると年間3兆円程度売り越しています。
よって、NISAは3年で10兆円増加していますが、個人の投資全体で見ると横ばいか若干の減少となっています。
つまり、NISAの10兆円の増加分は「貯蓄から投資」ではなく「投資から投資」です。
元々、株式や投信で運用していた人が、既に保有していた株式や投信を売却してNISA口座で再投資しただけです。
今の仕組みでは新しい投資家を呼び込むには限界がありそうです。
NISAを拡大するより確定拠出年金で毎月拠出だけでなく毎年100万円などの枠を設けてスポット的に拠出できる仕組みを作る方が広がると思います。
確定拠出年金は拠出額が所得控除されます。
仮に100万円拠出した場合、課税所得を計算する際、給与などの所得から100万円が控除されます。
減税効果は所得水準によって異なり、最高で55%です。
年収が1000万円程度の人でも30%程度の減税効果になります。
100万円拠出すると年末調整で約30万円返ってくることになります。
言い方を変えると100万円の投信を3割引の70万円で買えることになります。
30%下落してもプラスマイナスゼロです。
これは投資に対するハードルを下げる効果は大きいはずです。
それがダメなら、金融所得と給与所得の通算を可能にしてほしいと思います。
つまり、株式や投信でマイナスになっても、その分、給与所得から控除することで所得税を減らせるようになります。
米国などはこの仕組みです。(ちなみに米国は確定拠出年金のスポット拠出も可能です)
このような仕組みであれば今まで投資したことのない人でも少しはやってみようと思うのではないでしょうか?
とにかく、これまで投資経験がない人を振り向かせるには、インパクトのある施策が必要です。
関心を持てば、最初は安定したバランス型のファンドでも選択して、徐々に勉強していけば良いでしょう。
年金制度や税制を活用して「貯蓄から投資へ」を進めてほしいと思います。
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