2017年4月現在、ドル円為替レートが1ドル=108円前後まで円高が進んでいます。
円高になっている要因
- 米国の実質金利が低下(政策金利及びCPIベースでは1%-2.4%=−1.4%と日本と比較すると低い)
- トランプのドル高牽制発言
- 北朝鮮、シリアなどの地政学リスク
- フランス大統領選挙
実質金利については為替レートの予想・分析は実質金利差・購買力平価を活用 - ファイナンシャルスターを参照して下さい。
このように多くの円高要因があり、2017年の年初は1ドル=117円前後だったドル高為替レートは3ヶ月で10円近く円高になった事になります。
円高により、日本株は大きく下落し、外貨投資でも含み損を抱えている投資家が増えていると思われます。
過去にも掲載したことがありますが、日本の投資家は分散投資をしても日本株をはじめ多くの資産クラスが為替レートに影響されるので、安定的に利益を上げることは難しくなっています。
そこで今回は為替レートに影響されないポートを考えてみます。
円高に左右されにくい資産クラスを紹介しますので参考にしてください。
円高に強い資産クラス
日本の小型株
日本株は自動車、電気など大型株は輸出企業が多く、為替レートの影響を受けやすくなっていますが、小型株は内需関連銘柄も多く、為替レートの影響を受けにくくなっています。
- 内需サービスなどの業種が多い
- 外国人投資家の保有が少ない
- そもそもの成長率が高いため為替の影響が相対的に小さくなる
J-REIT
保有不動産のほぼ全てが日本国内の物件であるため為替レートが業績に影響を与えることはありません。
円高時に日本株が下落するがJ-REITは下落しないケースはよくあります。
J-REITの円高に対する耐性はJ-REIT・リサーチ・オープン/J-REITの投資環境 - ファイナンシャルスターを参照して下さい。
金(gold)
金(gold)はドル建てで取引されているめ円高になると円ベースでは下落します。
しかし、金(gold)は米ドルの代替という側面があり、米ドルが下落すると上昇する性質があります。
よって、円高ドル安になっても金(gold)高により相殺され円ベースでは下落しません。
金(gold)と米ドルの相関関係については円高で儲かる商品(ブルベアファンド・ETF・FX等) - ファイナンシャルスターを参照して下さい。
ヘッジ外債
米ドル債+為替ヘッジの投信です。
現在は米国の短期金利も上昇傾向で、ヘッジコストもそれなりにかかります。
よって、高格付け債券の投信ですとヘッジコストと信託報酬で利回りがなくなります。
投資する候補としてはハイイールド債、バンクローン、CoCo債、優先証券などポートフォリオ利回りで5%以上のものになります。