こちらのページでは「NYダウ」と「ナスダック総合指数」の比較チャートを掲載して、両者の相対的なパフォーマンス比較を行っています。
結論から申し上げると「ナスダック総合指数」は大きく上昇した後は大きな反動も起こりうるので注意が必要です。
それでは最初にNYダウとナスダック総合指数の概要について解説します。
NYダウとナスダック総合指数について
「NYダウ」の正式名称は「ダウエ業株30種平均」でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが米国を代表する30銘柄を選出し、算出しています。
いわゆる「株価平均型」の指数であるため、株価が高い銘柄の指数に対するインパクトが大きくなります。
以前は構成銘柄全てがニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場銘柄でしたが、1999年にインテルとマイクロソフトがNASDAQから初めて採用されました。
2021年1月時点ではニューヨーク証券取引所(NYSE)上場が24銘柄、NASDAQ上場が6銘柄となっています。
- NYダウ構成銘柄についての詳細や構成ウェイトはこちらを参照:NYダウ30種 構成銘柄の変化(1928年~)
一方、「ナスダック総合指数」は米NASDAQに上場している全銘柄を対象とした「時価総額加重平均型」の指数です。
NASDAQはハイテク企業やインターネット関連企業が多く上場しています。
2021年1月6日現在の世界の時価総額トップ10にランキングされている「アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット・フェイスブック・テスラ」はいずれもNASDAQに上場しています。
- ナスダックの時価総額ランキングはこちらを参照:ナスダック時価総額ランキングの推移(ピーク時とボトム時)
ちなみにニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する米国企業で時価総額が上位の企業は「バークシャーハザウェイ・VISA・ジョンソンエンドジョンソン・JPモルガンチェース」などです。
NYダウとナスダック総合指数の比較チャート
「NYダウ」と「ナスダック総合指数」の相対比較をしやすいように1990年1月末を100として指数化しています。
一目でNYダウよりナスダック総合指数のボラティリティが大きいことが分かります。
まず最初のポイントは1999年~2000年にかけて発生したITバブルです。
ナスダックが非常に大きく上昇しています。
当時のナスダックがピークをつけた2000年2月のデータがこちらです。(1990年1月末を100とした数値)
- ナスダック総合指数:1,130
- NYダウ:391
ナスダック総合指数は1990年1月から11.3倍になっています。
ロシア危機により株価が調整した1998年8月からの1年6ヶ月でみても約3倍になっています。(361→1,130)
その後はITバブル崩壊により、特にナスダック総合指数は大きく下落しました。
その後、ナスダックがボトムをつけた2002年9月のデータがこちらです。(1990年1月末を100とした数値)
- ナスダック総合指数:282
- NYダウ:293
なんと、ナスダック総合指数とNYダウが逆転しています。
ナスダック総合指数は上昇率も凄かったですが、下落率もとんでもなく大きなものとなりました。
2年7か月で-75%です。(これは月次データの騰落率ですので、日次ベースではもう少し下落しています)
その後のリーマンショックにおいてはナスダック総合指数はITバブル期ほどの大きな変動はありませんでした。
そして、現在、ナスダック総合指数はITバブル期を彷彿させるような上昇となっています。
2020年12月末時点でナスダック総合指数はリーマンショック後の安値をつけた2009年2月末から10倍近くなっています。
- 2009年2月末:331
- 2020年12月末:3,100
今後どこまで上昇が続くかは誰も分かりませんが、ITバブル崩壊後のような大幅下落もないとは言えないので念のため頭に入れておきましょう。
最後に米国株の長期チャートはこちらも参考にしてください。
- S&P500とNYダウの比較はこちらを参照:米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去8回
- 半導体関連株の推移はこちらを参照:SOX指数の長期チャートと構成銘柄の変遷