こちらのページではバンクローンのデフォルト時の回収率の高さについてトイザらスの例を用いて解説しています。
数日前の記事で破綻の可能性があると紹介しましたが、今回、トイザらスが正式に破たん申請(チャプター11)を行いました。
- 前回の記事はこちら:ハイイールド債とバンクローンの代表銘柄トイザらスが破たん報道
トイザらスは日本国内でも投信経由で販売されているハイイールド債やバンクローンの代表銘柄です。
ハイイールド債もバンクローンも両方、発行しています。
ちなみにハイイールド債とバンクローンの違いは「金利が固定or変動」と「担保有りor無し」の違いです。
- ハイイールド債:固定金利+無担保
- バンクローン:変動金利+有担保
2017/9/6にトイザらスが破たんするのではないかというニュースが米国で報道され、2017/9/18に正式に破たん申請を行いました。
この間のトイザらスの「ハイイールド債」と「バンクローン」の価格の推移を下記に掲載します。
- トイザらス・ハイイールド債(上位無担保債):2018/10/15償還、クーポン7.375%
- トイザらス・バンクローン:2020/4/24償還、利率Libor+8.75%
ハイイールド債は9/6の憶測記事が出た時点で53.5まで売られ、その後70台まで回復していたので高い回収率が見込まれているのかと思っていましたが、正式に破たん申請した後は18.0まで下落しています。
回収率が当初予想されたものより低くなる見通しとなったのでしょうか。
一方、バンクローンはほとんど下落していません。
元々70台で推移していたこともありますが、破たん申請後も下落していません。
バンクローンの場合、担保付になりますのでハイイールド債と比較すると高い回収率が見込めます。
下記のリンクに詳しい説明がありますが、過去に破たんしたGMやシモンズ等の事例でも、ハイイールド債の回収率が10%前後なのに対し、バンクローンはほぼ100%の回収率となっています。
バンクローン全体でもデフォルト時の回収率は長期平均で70%前後となっており、50%未満のハイイールド債の回収率を大きく上回ります。
- ハイイールド債とパンクローンのデフォルト時の回収率はこちら:バンクローン・オープン/バンクローンの投資環境
バンクローンの最終的な回収率はまだ分かりませんが、過去の例から70%程度は戻ってくるという経験則でマーケット価格も安定しているのでしょう。
今回のトイザらスの破たんもハイイールド債とバンクローンの回収率の差が大きく出た事例と言えそうです。
これがバンクローンの大きな魅力です。