先日の日経新聞で日興アセットの「グローバル・ロボティクス株式ファンド」が4コース合計で1兆円を突破したとの記事がありました。
日本株関連では2000年に設定された伝説の投信である「ノムラ日本株戦略ファンド」以来の1兆円越えです。(ちなみに伝説は悪い意味での伝説です。
パフォーマンスによって残高が増えたのではなく営業力で設定時から1兆円を集め、2000年2月というITバブルのピークに設定した部分が伝説と言われる所以です。
基準価格は3000円台まで下落し、2017年9月にようやく10,000円を超えました。現在の基準価格は11,400円前後ですが運用資産残高は780億円と1兆円ファンドには程遠い状況です。)
その点、「グローバル・ロボティクス株式ファンド」は2015年の設定から高いパフォーマンスを継続し、1兆円まで成長してきました。
ただし注意が必要なのは「ロボティクス」というテーマ型のファンドである点です。
テーマ型で1兆円と言われると少しやり過ぎのような気もします。
数年後に振り返って「やっぱりあのときがピークだった」とならなければ良いと思います。
日経の記事では触れていませんでしたが、マザーファンドベースでは「グローバル・ロボティクス株式ファンド」に加えてピムコが運用する「PIMCOインカム戦略」も1兆円を超えています。
このファンドはノムラアセット、三井住友アセット、アセットマネジメントONE、三菱UFJ国際投信で公募投信を設定しています。
また米ドル建ての外国籍投信も存在します。
国内で取り扱っている商品の一覧は下記の通りです。
ネットで調べた範囲でも32本で1.1兆円以上の残高となっています。
こちらは様々な債券に分散投資するファンドなので1兆円の残高であれば問題ありません。
ただし、このファンドの場合は日本だけでなく世界的に人気で、グローバルベースでみると20兆円を超えてきているようです。
債券のアロケーション型ファンドといってもさすがに20兆円は大きすぎるような気がします。
過去にETFを除くミューチュアルファンドで最も運用資産残高が大きかったのは、同じPIMCOの商品でビル・クロースが運用していた「トータルリターン・ファンド」です。
「トータルリターン・ファンド」は長年ミューチュアルファンドの運用資産残高トップを維持し、ピーク時30兆円以上の残高までいきました。
それでも安定的に高いリターンが出ていたので、これくらいまでは大丈夫なのかもしれません。
また、ビル・グロースは2015年にPIMCOからジャナスに移籍した後、「トータルリターン・ファンド」と同じような戦略のファンドを立ち上げていますが、パフォーマンスはいまいちのようです。
そう考えると、2度も超大型ファンドを作り出したPIMCOはやっぱり凄いということかもしれません。