2週間に1冊くらいのペースで本を読んでいますが、久しぶりに凄いと思える本に出合いました。
「お金2.0」というタイトルの本で、既にベストセラーになっているので多くの方もそう感じているのだと思います。
[amazonjs asin="B077N93YYV" locale="JP" title="お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)"]
著者は佐藤航陽氏、東証マザーズ上場の株式会社メタップスのオーナー社長です。
1986年生まれですので30代前半です。
「お金2.0」を読むと分かりますが、この若さで世の中を理路整然と理解・分析できているのは本当に凄いというしかありません。
ただし、本音を言うと最初の20ページくらいは「この本は失敗したかな」と感じていました。
面白くない本は途中で読むのをやめて捨ててしまうケースもあるのですが、移動中で時間があり、なんとなく読み進めて本当によかったです。
途中からはこれまで感じたことないような感動を得ながら読むことができました。
タイトルの通り「お金」の価値観や役割が変わり、新しい世界に変化していくという内容です。
人間は基本的に変化を嫌うので、世の中が変わろうとしていてもなかなか受け入れられない人も多いです。
最近では仮想通貨が良い例です。
特に金融マンは中途半端に知識がある分、ビットコインや仮想通貨というと何か胡散臭いものと考えている人が大半だと思います。
中央銀行がコントロールできない通貨が世の中に出回ると、経済のコントロールが効かなくなるから、仮想通貨は絶対にどこかで仕組みが破綻すると考えます。
「お金2.0」にも書かれていますが、現在の中央銀行の仕組みも大昔からあるわけでなく、ここ100年程で確立された制度です。
また現在私たちが使っている「お金」も以前は金(Gold)の裏付けがありましたが、今は中央銀行の信用力という抽象的なものが唯一のよりどころです。
このように世界の仕組みはどんどん変化しています。
貨幣に金(Gold)の裏付けがなくなる時も、そんなものは「お金」としてうまく機能するはずがないと言っていた人はたくさんいたはずです。
しかし既に何十年もうまく機能しています。
世の中こんなものです。
このような「お金」の役割や世の中の変化について、理論的かつ、鋭い切り口で書かれているのが「お金2.0」です。
更に付け加えると、個人的には学者の人が書いたような本はあまり好きではありません。
理論だけ述べるのは誰にでもできることだからです。
佐藤航陽氏は自分で疑問に感じたことを、実際のビジネスで検証しているので、説得力が全然違います。
間違いなく読む価値のある本です。