(2021年5月追記)
2021年時点で「ヴァンエックベクトル半導体ETF(SMH)」が日本国内でも売買が可能となっていますので、「次世代通信関連世界株式戦略ファンド(愛称:THE 5G)」を半導体関連株の代替とする必要はなくなりました。
下記は忘備録としてそのまま残しておきます。
1人勝ちの5G投信「THE 5G」
名前の通り5Gのテーマ型ファンドである「次世代通信関連世界株式戦略ファンド(愛称:THE 5G」が残高を伸ばしています。
2017年12月15日の設定以降、運用資産残高は順調に増加し、4,000億円を超えています。
国内の公募投信残高ランキングでも10位前後まで上昇しています。
ただし、基準価格は11,000円前後と一応はプラスですが、それ程大きく上昇している訳ではありません。
同期間のS&P500指数(円ベース)と比較しても若干下回るパフォーマンスです。
やはり「5G」という今、最も注目されるテーマが人気の秘訣と言えそうです。
また、人気のテーマでありながら類似ファンドが少ないことも大きく残高を伸ばしている要因と思われます。
当ファンドは委託会社は三井住友トラスト・アセットマネジメントで、実質的な運用者はニューバーガー・バーマンです。
ニューバーガー・バーマンは年金など機関投資家の世界では有名な会社で、良いファンドも多いので中長期では期待できるかもしれません。
次に「5G」について分かりやすく解説していきます。
「5G」を分かりやすく解説
5Gとは「5th Generation (第5世代)」の移動通信システムの略です。
ここでは携帯電話の変遷を例として、5Gまでの変化を掲載します。
- 第1世代:1980年代の大型で音声通話のみの携帯電話(タレントのノラさんがいつも持っているやつです)
- 第2世代:1990年代の小型化されメールやウェブ閲覧が可能となった携帯電話
- 第3世代:2000年代の音楽や動画の再生ができる初期のスマホ
- 第4世代:現在使用しているスマホ(2019年時点)
- 第5世代:更に高速大容量化されたスマホ
もちろん「5G」は携帯電話のみに使われるものではなく、「5G」のインフラが整備されることで、自動運転・IoT・AIなど多くの分野でこれまでよりも非常に進化したサービスが生まれることになります。
分かりやすい例が自動運転です。
自動運転は外部と多くのデータをやり取りしながら車を走らせますが、このやり取りするデータの通信速度が現在の約100倍、通信量は約1,000倍になります。
これにより、現在とは比べ物にならないほど高度な運転制御が可能となります。
そして、これと同じことがIoT・AIなど生活に関する様々なところで起こることになります。
また、一言で「5G」といっても、様々な種類の関連分野があります。
「5G」を大きく分類すると下記の3分野となります。(「THE 5G」の販売用資料から引用しました)
- 通信インフラ関連:アンテナ、ネットワーク機器、光ファイバー
- 通信サービス関連:無線通信、グラウト関連、データセンター
- IoT機器・装置関連:センサー、レーダー、IoT最終製品(ウェアラブル端末等)
次世代通信関連世界株式戦略ファンド(愛称:THE 5G)はこれらに関連する銘柄が投資対象となります。
では、実際にどのような銘柄が組み入れられているか確認します。
「THE 5G」のポートフォリオ概要 / SOX指数の動きに類似
次世代通信関連世界株式戦略ファンド(愛称:THE 5G)のポートフォリオ概要を掲載します。
データは2019年9月30日現在です。
まず、国別比率(上位5か国)はこちらです。
- 米国:65.04%
- 日本:8.00%
- 中国:6.40%
- 台湾:3.80%
- 韓国:2.84%
次に関連分野別の組入比率はこちらです。
- 通信インフラ関連:43.67%
- 通信サービス関連:26.02%
- IoT機器・装置関連:24.63%
- キャッシュ:5.68%
そして最後に組入れ上位10銘柄です。
面白そうな銘柄が並んでいるように感じます。
この辺の銘柄はなかなか自分で選ぶことは難しいので、ファンドを使うことは理にかなっていると言えます。
ちなみに「THE 5G」の動きは半導体株の代表的な指標であるSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)と同じような動きになっています。
5Gと半導体は切っても切れない関係であり、非常に関連性が高いため株価も同じような動きになることは理解できます。
こちらは「THE 5G」とSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の比較チャートです。
「THE 5G」がSOX指数よりパフォーマンスが悪く見えますが、これは投資対象がかなり異なるので、上記の短い期間で一概に優劣をつけることはできないと思います。
SOX指数に代表される半導体株式は非常に注目されていますが、2019年時点でも日本から投資できるSOX指数に連動するETFやインデックスファンドは存在しません。(海外ETFは存在しますが、日本での登録がされていないので日本では売買できません)
- SOX指数やSOX指数に関連する商品についての詳細はこちら:SOX指数の構成銘柄変遷と長期チャート - ファイナンシャルスター
上記、リンク先にも記載しましたが、SOX指数に連動するETFやインデックスファンドが誕生するまでは半導体関連ファンドとしても「THE 5G」を使うことができそうです。(本当はSOX指数ETFに投資したいような気もしますが。。。。)
「THE 5G」に投資する場合はSOX指数との相対パフォーマンスが悪化しないか定期的なチェックが必要です。
同時にファンドの運用資産残高が極端に増加しないかもチェックが必要です。
多くのファンドでは残高が増加すると相対パフォーマンスが低下します。(特に日本では)
そして最後に、SOX指数は既に大きく上昇していることは常に頭に入れておくべきです。
リーマンショック後の安値となった2009年2月から、既に8倍になっています。
いくら有望な分野でも期待が強く、既に大部分が織り込まれている可能性もあります。
足元もSOX指数は高値を更新しています。
半導体はスーパーサイクルに入っているとも言われており、怖がり過ぎる必要もありませんが、念のため頭に入れておきましょう。