ドイツ国内1位・2位のドイツ銀行とコメルツ銀行の合併が現実味を帯びてきています。
ドイツ銀行の2018年の業績は4年ぶりの黒字回復となりましたが、当期利益は3億4100万ユーロ(約430億円)と非常に低水準となりました。
従来、ドイツ銀行は合併に否定的でしたが、業績の回復が遅れるなか、合併に舵を切ったようです。
2008年のリーマンショック前まではドイツ銀行、コメルツ銀行、ドレスナー銀行がドイツの3大銀行と呼ばれていました。
リーマンショック後にコメルツ銀行がドレスナー銀行を買収しており、今回の合併が実現すると3大銀行が1つになります。
それにしても驚きなのは両行の時価総額を合計しても280億ドル(3兆円)程度しかないということです。
ドイツ銀行とコメルツ銀行の株式データを2006年と2019年で比較してみました。
2006年と比較すると株価は大きく下落しています。
ドイツ銀行は約1/10、コメルツ銀行は約1/30の水準です。
ただし、どちらも大幅な増資を行っている為、時価総額はそこまで減っていません。
ドイツ銀行は株価が1/9、発行済み株式数が3倍ですので、実質的には1/27になった計算です。
コメルツ銀行は株価が1/30で、発行済み株式数が約10倍にですので、実質的には1/300になった計算です。(みずほFGなども実質的には1/20になっています)
昔から株式を保有していた株主が本当にかわいそうです。
ちなみに世界のシステム上重要な銀行(G-SIBs:Global Systemically Important Banks)29行の内、上場している27行の中でドイツ銀行の時価総額は最下位となっています。
- G-SIBsの時価総額ランキングはこちらをご覧ください:銀行(G-SIBs)の時価総額ランキング/上位は米中が独占、ドイツ銀行は大丈夫か
ドイツ銀行・コメルツ銀行合併後の280億ドルという時価総額は日本の3メガ中、最低であるみずほFGの約400億ドルより低い水準です。
日本トップの三菱UFJFGは約750億ドル、世界トップのJPモルガン・チェースは約3,700億ドルと10倍以上の開きとなります。
日本の銀行が低収益であることはよくニュースで見かけますが、それ以上にドイツは大変そうです。
ドイツの国内景気は日本より良い環境ですが、元々レバレッジを聞かせた投資銀行スタイルの経営が裏目に出てしまいました。
合併後にリストラでコストを削減し、再度復活を狙うことになります。
合併が現実となると、昔のドイツ3メガバンクが1つになることになります。
日本の3メガも1つになるような事がなければ良いのですが。。。。。