持ち合い株に関する記事です。
日本株全体に占める「持ち合い株比率」の推移が掲載されていますので、忘備録として掲載しておきます。
参考記事【日経新聞2018/6/15】
企業同士の持ち合い株(政策保有株)に対する投資家の対応は一段と厳しくなっている。企業統治指針ではこれまで保有の方針を開示すべきとだけ記されていたが、6月の改定で「縮減に関する方針・考え方など」を開示するよう改められた。
政策保有株が問題になるのは、企業間で持ち合って健全なガバナンスを妨げたり、資本効率の悪化につながったりするためだ。
野村証券の調べによると、90年に約5割だった政策保有株の市場全体に占める比率は直近で15%まで下がった。ただ、アイ・アールジャパンの推計によると、議決権ベースの保有比率では平均で約22%あり、総会での影響力は依然大きい。
米国のような健全なマーケットに近づいた日本株市場
上記のチャートを見て分かるように、1990年代前半は日本株の内、約50%が持ち合いで占められていました。
(もちろん企業ごとに差はありますが)平均的に50%を持ち合っているということは、どんなにおかしな経営をしても株主総会で問題になることはないということになります。
緊張感のない放漫経営をしてもいわゆる「シャンシャン総会」でおしまいですので、業績が良くなるはずがありません。
しかも当時は、「日本株の50%は持ち合い株で占められていることから浮動株が少なくPERは50倍でもおかしくない」といった意味の分からない理論がまかり通っていました。
結果はみなさんがご存知の通りで20年以上も株価は下がり続けました。
現在は持ち合い株式が20%を下回る水準まで低下し、逆に外国人の保有が1990年の約5%から30%まで増加しています。
記事にもあるようにコーポレートガバナンスコードの改定で持ち合い株式の減少がさらに加速することは間違いありません。
そして、スチュワードシップ・コードの強化もあり、現在、企業経営者の緊張感はかつてないものとなっています。
この緊張感こそが日本株が長期上昇トレンドになるためのポイントとなってくるはずです。
ROE経営も浸透してきており、米国の株式市場に近いところまで健全化しているように感じています。
あと米国と異なるのは為替の影響ぐらいでしょうか。
日本株は為替の影響を受けやすいですが、こればかりは直ぐにどうにかなる問題ではありません。
ただし、為替についてもインフレターゲット2%が実現できればかなり状況はよくなると思います。