日本とドイツは元々よく似た国だと言われてきました。
第2次世界大戦では日本とドイツは同盟国として戦い、米国に敗れ、その後工業化を進め、奇跡の成長と呼ばれるような経済成長を成し遂げました。
しかし、現在では好景気が続くドイツと不景気とデフレが続く日本で大きな差がついています。
特に2000年以降、大きな差がついています。
下記は2000年と2018年の1人当たりGDPの変化です。
- 日本:38,534ドル→39,306ドル
- ドイツ:24,009ドル→48,264ドル
とんでもない逆転となっています。
こうなった原因は結局のところ「人口」が大きく景況していると思います。
ただし注意点として、ドイツは2012年~2017年は移民が増加したことで人口が増えていますが、2004年~2011年にかけては人口が減少していました。
つまり、ドイツは日本と同様に人口減少を経験しています。
さらに、ドイツの方が日本より早く人口減少期に突入したことになります。
それでもリーマンショック時を除き、ドイツは日本のようにデフレになることはありませんでした。
ここでポイントになるのが通貨「ユーロ」です
1999年からスタートした通貨ユーロのおかげで、ドイツ自体の人口は増えないものの、経済圏としては人口を増やしたことと同じ効果が生まれています。
スペインやギリシヤなど成熟していない国を同じ経済圏に加えることで、ドイツ経済にプラスの影響を与えています。
平均年齢が下がり、活発な消費や労働力としても景気に貢献します。
M&Aで成熟企業が成長力のあるベンチャー企業を買収するようなイメージです。
また、やり方は異なりますが、米国が移民を受け入れながら人口増加を続けているのと効果は同じになります。
米国も元々の米国人のみでは人口減少や高齢化は避けられませんが、移民制度を活用して人口構成をコントロールしています。
- 各国の人口の推移はこちら:世界の人口推計(人口予測) - ファイナンシャルスター
ドイツはユーロ導入により経済圏としての人口構成をコントロールしました。
これをみるとやはりデフレ脱却には人口減少をストップすることが必要だと思います。
金融緩和で一時的にデフレから脱却しても人口が減り続ける限り、常にデフレリスクが存在します。
よって、大規模な少子化対策・移民制度などを早急に考える必要があると思います。
または、ドイツが欧州で行ったように日本が主導してアジア圏で同一通貨圏を作ることも有効です。(同時にEUのような制度も必要)
日本はそろそろ真剣に対策を考えないと、二度と経済的な復活が望めない国になってしまいます。