2017年10月12日、日経平均の終値は20954円となり、1996年12月以来、20年10ヶ月ぶりの高値となりました。
ほぼ全ての先進国株式が長期に渡り過去最高を更新し続けている中では、パフォーマンスは大きく見劣りしますが、ようやくここまで来たかという感じです。
批判は多いですが、アベノミクスや日銀の大規模金融緩和が効果を発揮していると言って良いでしょう。
特にコーポレートガバナンスコード・スチュワードシップコードにより企業経営者の意識が大きく変化しています。
ROE経営がさらに浸透すれば、日経平均の更なる上昇も可能だと思います。
そして、21,000円手前まで回復した日経平均ですが、実は2000年4月に行った採用銘柄の入替によりテクニカルな影響で10%は低くなっています。
つまり、日経平均は実質的に23,000円前後まで回復していることになります。
- 2000年4月の日経平均採用銘柄入替による影響についての詳しい内容は「2000年4月の30銘柄入替で日経平均は10%は低く見えている - ファイナンシャルスター」を参照してください。
2000年までは日経平均は実質的な銘柄入替を行っておらず、採用銘柄が時代の流れを反映していないとの批判が大きくなっていました。
それに加え、1999年~2000年前半にかけてのITバブル相場でオールドエコノミー株はパフォーマンスが大きく劣後していました。
批判と相対的なパフォーマンス悪化に焦ったのでしょうか、2000年4月、一気に30銘柄の銘柄変更を発表しました。
しかし、突然30銘柄の入替を発表したことでマーケットに大きなインパクトを与え、その結果、日経平均株価は本来の姿より10%前後低く表現されていることになります。
当時はインデックスファンドのマネージャーが銘柄入替には慣れておらず、新規採用銘柄は組入れ日の引けで成行買いが急増するなど、めちゃくちゃな動きとなりました。(詳しい内容は上記のリンク先に具体的なデータを掲載して解説しています)
よって、2000年以前の日経平均と比較する場合はこの影響を考慮する必要があります。
現在の日経平均は2000年以前の基準では23000円前後と考えられ、前回、日経平均が23000円をつけたのは1991年12月~1992年1月までさかのぼります。
表面上の日経平均は21年ぶりの高値ですが、実質的には約26年ぶりの高値となります。
そう考えると日本株もかなり上昇トレンドになってきたようにみえます。
これだけ上がっても今期予想PERは14.68倍と比較的割安な水準です。
1989年12月の38915円はまだはるか先ですが、どこまで近づけるでしょうか。
ほんの少し円安になり、PERが18倍位まで目線が上がれば、25,000円~30,000円程度まではすぐに上昇しそうな気がします。