日本郵政(6178)の政府による売り出しは9/25 (月)~9/27 (水)に値決めとなります。
おそらく9/25 (月)か9/26(火)になると思われます。
1.3兆円ですので引受証券会社はそれなりに労力を使ったと思われます。
日本郵政(6178)は傘下にゆうちょ銀行とかんぽ生命を持ち、利益はこの2つの会社からのもので、郵便事業は赤字です。
また、2015年に買収したオーストラリアの物流会社トールホールディングスはわずか2年で4,000億円の減損処理を行いました。
ゆうちよ銀行、かんぽ生命も成長余地が見込まれないことから、本来は日本郵政(6178)の株式を買う理由はほとんどありません。
しいて言えばバリュエーションが安いといったところでしょうか。
- PER:13.7倍
- PBR:0.40倍
- 配当利回り:3.66%
それでも、これだけならメガバンクの株を買った方が良いと感じます。
そこで今回、1.3兆円を何とか売りきるためにいくつかの仕掛けをしています。
まず、売り出しですので一定のディスカウント価格で購入できます。
政府関連の売り出しの場合、NTTやJTの例ではディスカウント率が3%前後ですので今回もそれくらいになると思います。
現在の1387円から計算すると、40円位安く買える計算になります。
しかし、これだけでは売り切るのが不安なため追加のおまけが2つ用意されています。
<おまけ①>
すぐに配当が受取れる可能性があります。
9/25(月)に値決めされれば配当が受け取れます。
9/26(火)に値決めされた場合は終値から予想配当金の25円を控除した価格からディスカウントとなるので実質的に配当を受け取るのと同じ経済効果です。
9/27になると受け取れません。
よって、9/25(月)か9/26(火)が値決めになるでしょう。
結果的にディスカウント分と合わせると実質的に65円位安く買える計算です。
<おまけ②>
すぐにインデックス買いが発生します。
これも絶妙なタイミングで、9/5に日本郵政が日経平均に採用されることが発表されました。
日経平均の銘柄入替は毎年10月の第一営業日ですので、インデックス買いは前日の9月最終営業日になります。
今年のインデック買いは9/29(金)の大引けの株価が基準となります。
売り出しが9/25(月)に値決めされれば売買可能となるのは9/29(金)です。
また、9/26(火)に値決めされれば売買可能となるのは10/2(月)です。
まさに絶妙なタイミングです。
このことからも値決めは9/25か9/26となるでしょう。
このタイミング以外では、配当取りも日経平均採用のインデックス買いも関係なくなります。
今回のファイナンスは1.3兆円売り切るためにピンポイントのタイミングでねじ込んだ感じです。
こんなことをして投資家を裏切ってばかりでは「貯蓄から投資へ」はいつまでたっても上手くいきません。