債券・金利

日銀オペ減額でも長期金利は上昇しないというがこれ以上低下もしないのでは?円債投信は注意が必要

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日銀の量的金融緩和政策による国債買い入れは年間80兆円をめどとされていますが、既に発行されている国債約1,000兆円のうち40%以上も日銀が保有していることから、実際には年間80兆円ペースよりも低い金額しか買入れしなくても金利は上昇しないと言われています。

実際、日銀は2017年5月の時点で60兆円前後のペースになっていることを公表しています。

ただし、60兆円ペースでも1年後には日銀の保有残高が500兆円を超え、それ以降の市場での購入が難しくなるのではないかと言われています。

もちろん無理に購入する必要はなく、金利上昇のリスクがないのであれば日銀も無理に買入れは行わなくても良いと判断するでしょう。

日銀のイールドカーブコントロールでは短期金利(日銀当座預金の一部に適用される金利)は-0.1%、長期金利(10年国債利回り)は0%程度に誘導する長短金利操作を行っています。

10年国債利回りは2017年6月~7月にかけて一時的に0.1%まで上昇しましたが、その後低下傾向となり、現在は0.02%となっています。

よって、日銀が国債オペレーションで買い入れる金額のペースを落としてもイールドカーブコントロールはうまく機能していることになります。

今後、債券市場が大きく変動するとすれば、日本のインフレ率が予想以上に上昇し2%程度となり日銀の量的金融緩和政策が出口に向かう場合か、日本の景気がさらに悪化し一段の利下げが行われる場合です。

現状ではどちらも起こりそうもありませんが。。。

一般的に考えると債券市場は当面は大きな変動は起こりにくいと思われます。

余程のことがない限り、10年国債の利回りはここからさらに低下してマイナスになることは想定しにくいと思われますので直近少し上昇した長期国債で運用する投資信託などは一度、売却してもよいのではないでしょうか。

長期国債で運用する投資信託については下記を参考にしてください!

もし、インフレ率が予想以上に上昇し、日銀の量的金融緩和が出口に向かうようなことが話題になると、ある程度金利が上昇し債券価格が下落します。

日本の場合は多くの人が金利は上昇しないと思い込んでいます。

このようなケースに限って、思いのほか上昇することが多いので注意が必要です。

債券の下落幅は「金利上昇幅×デュレーション」で決まります。

デュレーションが長い円建て債券に投資している投資信託などは注意が必要です。

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