分配型投信自粛による売りでJ-REITが割安に
2017年7月現在、分配型投信からの資金流出が続いている影響もあり、J-REITはじり安が続いています。
金融庁が分配型投信に懸念を示していることで、各金融機関が忖度して販売を自粛しています。
現在、分配型投信の残高上位には米国リートやJ-REITのファンドが多く存在します。
その影響もあり、東証リート指数は1660ポイント前後まで下落し、指数全体の時価総額加重平均利回りは4.1%となっています。
個別銘柄の利回りは時価総額1位の日本ビルファンドと2位のジャパンリアルエステイトの分配金利回りが共に3.1%と最も低くなっています。
概ね時価総額の大きい銘柄の利回りが低く、時価総額が小さくなるにつれて高い利回りの銘柄が増加します。
現在はJ-REITへのエントリータイミングとしては悪くないと思います。
高利回り・高流動性・優良スポンサー銘柄でポートフォリオを作成
今回は利回りが高く、流動性にも問題がなく、スポンサーもしっかりしているという観点から銘柄を選び、参考ポートフォリオを作成します。
「利回りが高い」という観点については分配金利回りが4.5%以上の銘柄とします。
「流動性に問題がない」という観点については時価総額が500億円以上の銘柄とします。
(時価総額が500億円未満の銘柄は現時点で全てが5%以上の分配金利回りとなっておりますがここではあえて除外します)
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)
- 分配金利回り:5.5% (時価総額840億円)
- 決算月:4月/10月
- スポンサー:インベスコ
- 用途:オフィス
インヴィンシブル投資法人(8963)
- 分配金利回り:6.4% (時価総額1800億円)
- 決算月:6月/12月
- スポンサー:フォートレス
- 用途:ホテル(一部レジデンシャル)
プレミア投資法人(8956)
- 分配金利回り:4.5% (時価総額1400億円)
- 決算月:4月/10月
- スポンサー:NTT都市開発
- 用途:オフィス・レジデンシャル
MCUBS MidCity投資法人(3227)
- 分配金利回り:4.8% (時価総額1000億円)
- 決算月:6月/12月
- スポンサー:三菱商事、UBS
- 用途:オフィス(一部ホテル)
この4銘柄でオフィス、レジデンシャル、ホテルに分散投資が可能となります。
4銘柄に等金額投資を行った場合のポートフォリオの分配金利回りは5.3%となります。
スポンサーは上2つが海外の大手ファンド系、下2つが国内超大手事業会社でいずれも信用力が高いところとなっています。
5.3%の利回りであれば関心を示す投資家もそれなりに出てくると思います。
現在のJ-REITの下落は分配型投信からの資金流出が原因です。
しかも、投資家がJ-REITを弱気に見ているのではなく、金融庁の顔色を伺い、金融機関が分配型投信を自粛していることによります。
そして、分配型投信はJ-REITや米国リートに投資するものが多く、売りが出ているといった形です。
このように見通しとは関係ないテクニカルな理由で下がっているところは絶好の買い場ではないでしょうか?