米国の4大銀行の一角であるウェルズ・ファーゴは元々サンフランシスコを拠点とする地方銀行(リージョナルバンク)でした。
1990年代後半からM&A戦略により規模を拡大し、2010年代には全米最大規模の銀行となりました。
ここに日本の地銀の未来へのヒントがあります。
ウェルズ・ファーゴが行った主なM&Aの相手先はこちらです。
- 1996年:ファースト・インター・ステート
- 1998年:ノーウェスト
- 2008年:ワコビア(2001年ファーストユニオンと合併)
次に2019年2月末現在の世界の銀行の時価総額ランキングです。
時価総額トップ10はHSBCを除き、米国と中国の銀行で占められています。
HSBGもビジネス面では中国のウェイトが高い為、時価総額トップ10は実質的に全て米中の銀行となります。
ちなみに日本のトップである三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額は790億ドルで15位前後です。
ウェルズ・ファーゴは同じ米国のシティ・グループより上位で世界第4位の時価総額となっています。
サンフランシスコの地銀が20年程で世界のトップバンクとなりました。
日本の地銀もM&Aでどんどん一緒になり、規模を拡大すべきです。
銀行の数が減ると今のような過当競争も減り、貸出のスプレッドが拡大できるはずです。
日本の銀行の貸出スプレッドはリスク対比で小さすぎます。
これはM&Aが進むことで解消可能です。
実際に広域地銀を作るには既に規模の大きい地銀がメインとなり、M&Aを進めていく必要があります。
日本の地方銀行の時価総額ランキングです。
以前より減りましたが、地銀・第2地銀で合計100以上の銀行があります。
更に、信用金庫・信用組合合計で300以上あります。
上位地銀がM&Aを主導し、何グループかの大型地銀(広域地銀)ができると銀行を取り巻く環境も大きく変わるでしょう。
規模が大きくなると知名度も上がり、人材の採用も容易になります。
人材の質も向上します。
効率化で利益も上がります。
現在の地銀の従業員にとっても、このまま尻すぼみになるより、規模拡大で効率化され給料が上がる方が良いでしょう。
また、地銀の場合は地元に就職したので急に他の地域に転勤になると困る人も多いと思いますが、それも人事制度で地域特定職を設けるなどすれば全く問題ありません。
大手金融機関では以前からそのような制度はありますし、地域特定職でも支店長になれるようにすれば希望者も多くいるはずです。
上位地銀は日本版ウェルズ・ファーゴを目指すべきです。