メインサイトで紹介したことがありますが、三井住友信託銀行は三井住友フィナンシャルグループではありません。
本当は両社が一緒になれば凄く魅力的な金融グループになると思います。
- 三井住友信託銀行と三井住友フィナンシャルグループについてはこちらで分かりやすく整理しておりますのでご覧ください:三井住友信託銀行は三井住友フィナンシャルグループではない - ファイナンシャルスター
現在、日本最強の金融グループといえば三菱UFJフィナンシャルグループです。
3メガバンクの比較データです。
三菱UFJFGと三井住友FGの当期利益の差は約2,500億円あります。
三井住友信託銀行などを傘下に持つ三井住友トラストHDの2018年3月期当期利益は1,539億円です。
もし、三井住友FGと三井住友トラストHDが合併すると三菱UFJFGとの差は約1,000億円まで縮小します。
そして、三菱UFJFGの利益の内、約24%出資し持ち分法適用会社となっている米モルガンスタンレーによるものが1,718億円計上されています。
これはリーマンショック後の混乱期に三菱UFJFGがモルガンスタンレーを救済する形で出資したものです。
これは連結に計上されていますが、実質的には純投資に近い形ですので、おまけのようなものです。
もちろん会計ルールに則って計上しているので、三菱UFJFGに非はありません。
ただ、モルガンスタンレーの持ち分利益を除いた実質的な金融グループとしての力は「三井住友FG+三井住友トラストHD」が上回る形となります。
現在の三菱UFJFGと三井住友FGの連結当期利益を業務ごとに比較するとこのような形となります。
- 海外を含む普通銀行業務は共に約6,000億円
- 証券は三菱が431億円、三井住友が620億円
- 信販・カードは共に400億円
- 信託銀行は三菱信託が1,867億円、SMBC信託が-60億円
三井住友FGにとっては信託業務の強化が喫緊の課題です。
現在はSMBC信託銀行がグループの信託業務を担っていますが、やや力不足です。
信託業務は遺言信託など相続関連業務で今後、有望な分野と言われていますので何とかしたいところでしょう。
また、三井住友トラストHDは三井住友信託銀行だけでなく三井住友トラストアセットと日興アセットという2つの大手運用会社も保有しています。
証券業務ではメガバンクの中で唯一、3大証券の一角である日興証券を傘下に持ち、三菱UFJ(旧国際証券)、みずほ(旧新光証券)より力は上と思われますので、ますます信託業務の出遅れがもったいない状況です。
余計なお世話だと思いますが、合併すると日本を代表する面白い金融グループができるような気がします。
そうなると、みずほFGは取り残され3メガから2メガになる可能性もあります。