逆イールド発生 / 過去は株価暴落
米国2年債と10年債の逆イールドが発生しました。
これで正式に米国の逆イールドが発生したことになります。
過去、逆イールドが発生するとリセッション・株価大暴落が発生しています。
ITバブル崩壊前の2000年、リーマンショック前の2007年は米国債で逆イールドが発生していました。
1989年バブル崩壊前の日本でも逆イールドが発生していました。
日経平均が過去最高値をつけた1989年12月29日の日本国債は逆イールドでした。
- 逆イールド時のイールドカーブはこちらを参照してください:イールドカーブについての分かりやすくて詳しい説明 - ファイナンシャルスター
そのため金融市場では今後のマーケットを悲観する声も多く聞かれます。
ただし、これまでも逆イールドが発生してすぐにマーケットが下落したわけではありません。
ITバブル崩壊、リーマンショック時も最初に逆イールドが発生してから1年~2年後に株価の下落が始まっています。
この事実を理由に当面株価は堅調に推移するとの意見もあります。
こちらの意見も一理あるように感じますが、今回はどうなるかを予想してみたいと思います。
逆イールドの今後の影響を予想
まず、今回の逆イールドが過去2回の逆イールドと明らかに異なる点は「事前に多くの人が逆イールドに注目していた」という点です。
過去2回の逆イールド発生時は、一部で指摘していた人はいましたがマーケット全体ではそれ程騒がれていませんでした。
そして1年~2年後に景気が悪化し、株価が大暴落しました。
特に2007年の逆イールドは、前回から7年しか経過していないため、もう少し覚えている人がいて騒がれていてもおかしくなかったのですが、それほど注目されませんでした。
結果的に2回ともその後の金融市場は大混乱になりました。(ITバブル崩壊、リーマンショック)
- ITバブル崩壊後の各資産クラスの下落率はこちらを参照:各資産の最大下落率(ITバブル崩壊) - ファイナンシャルスター
- リーマンショック後の各資産クラスの下落率はこちらを参照:各資産の最大下落率(リーマンショック) - ファイナンシャルスター
しかし、今回は過去2回の経験から多くの人が事前に意識しており、昨年からマーケットでも相当話題となっていました。
「いつ来るか、いつ来るか」と待ち構えていた感じです。
そのため今回は過去2回より、早い段階で様々な動きが出てくるはずです。
いきなりNYダウが800ドル下落したのものその1つです。
今後もリスクポジションを減らす動きがでる一方、株価が下がりそうであればFRBによる利下げやトランプ大統領による株価対策も行われるでしょう。
1年~2年放置された過去の逆イールドとは異なり、速いタイミングで次々と動きがある可能性があります。
特にトランプ大統領は来年秋の選挙に向け、株安は許されません。
過去2回(ITバブル崩壊時、リーマンショック時)の逆イールド発生時は大統領2期目のタイミングでした。
現在はトランプ大統領が1期目のタイミングです。
2020年11月に選挙があります。
大統領1期目は何としてでも株価を維持しようとするはずです。
その反動でその後は少しリスクが高まります。
ただし、2021年に入るとトランプ大統領も2期目に入ります。
よって、2021年に入ってからマーケットが下落した場合は、結果的に逆イールドが発生してから1年~2年後に株価が下落するという過去のパターンと同じになります。
(そして大統領1期目に株価の暴落が起こらないというアノマリーも成り立ちます)
そういう意味では歴史は繰り返すのかもしれません。