2018年12月19日、FRBが利上げを行いFFレートは2.5%となりました。
そしてここ数週間、マーケットでは米国金利の逆イールドが話題となっています。
こちらが2018年12月時点の米国のイールドカーブです。
現在、イールドカーブが逆イールドになったと言っているのは「2年債の利回りが3年債・5年債の利回りよりも高くなっている」ということであり、長短金利が逆転している訳ではありません。
正確な意味での逆イールドは2年債と10年債の利回りが逆転することを表します。
現在は2年債が2.67%、10年債が2.78%です。
辛うじて10年債の利回りの方が高い状況です。
よって、現在は辛うじて逆イールドではなく、イールドカーブのフラット化の状態です。
通常、景気が減速してくるとイールドカーブがフラット化していき、更に景気が悪化すると逆イールドになります。
ちなみに約2年前である2016年12月31日のイールドカーブと現在のイールドを比較してみます。
イールドカーブの形状がかなり異っています。
現在のイールドカーブがフラット化しているのが確認できます。
そして、2年債など短めの金利が上昇してるのはイメージ通りだと思いますが、なんと30年債の利回りは若干ですが低下しています。
さすがに当面、利上げは行わないと思いますが、何かのきっかけで2年債と10年債の逆イールドも起こりそうな状況です。
現在の米国の金利の動きをみると、債券マーケットは米国経済の停滞を織り込み始めているようです。
過去の実績では株式市場と比較して債券市場の方が冷静な判断をすることが多いので、若干心配です。
過去、逆イールドが発生すると景気後退と大きなマーケットのクラッシュが発生しているので注意が必要です。
- 2000年の米国イールドカーブ(ITバブル崩壊前)
- 2007年の米国イールドカーブ(リーマンショック前)
- 1989年の日本イールドカーブ(平成バブル崩壊前)
いずれのケースでもその後にマーケットの大幅な下落が発生しています。
そういう意味ではイールドカーブの逆イールド発生は非常に大きなポイントとなりますので忘れずに注目しておくことが大切です。
現在は逆イールド一歩手前の状況ですが、万が一逆イールドになった場合は相応の対応が必要となります。
イールドカーブについての詳細な解説と逆イールドの事例はこちらをご覧ください。