FRB理事は正副議長含めて7名が定員です。
一時期、最大4名の空席といった異常事態でしたが、ようやくメンバーが埋まってきました。
クラリダ氏がFRB副議長に内定し、ボウマン氏が理事に内定したことで理事の空席は残り1つとなりました。
FRB理事は7名全員がFOMCでの投票権を持ちます。
それ以外は12の地区連銀の内、5名の地区連銀総裁が輪番で担当します。
ただし、ニューヨーク連銀総裁は必ず投票権を持ちます。
よって、FOMCの投票権は「FRB理事7名+ニューヨーク連銀総裁+4名の連銀総裁」となります。
下記は現在のFOMCの投票権を持つメンバーの一覧です。
上記の表から分析すると、少しタカ派よりにも見えます。
緩やかな金融引締め(利上げ)を行うと予想されていますが、インフレ率が少し強めになった時や逆に金融不安などのショックが起きたときにどのような動きになるか注目する必要があります。
インフレ率が高めで推移した場合、予想外の利上げを続ける可能性もあります。
また、景気後退時の利下げが遅れる可能性もあります。
ちなみにFRB副議長に内定したクラリダ氏はピムコのマネージンクディレクターとコロンビア大学の教授を兼務しています。
これまでのイメージではFRBに近い金融機関というとゴールドマン・サックスが有名ですが、最近はピムコもかなり近い存在となっているような気がします。
グリーンスパン元議長、バーナンキ元議長はFRB議長退任後、ピムコのアドバイザーに就任しました。
最近では元ピムコCEOで、現在はピムコの親会社にあたるアリアンツの首席経済顧問であるモハメド・エラリアン氏がFRB副議長の候補と報道されました。
結果的にはクラリダ氏が内定したわけですが、FRBとピムコの関係が近くなっています。
上記に掲載した現在のFOMCメンバーではダドリー氏(ニューヨーク連銀総裁)がゴールドマン・サックス出身者です。
ちなみにピムコはFRB以外でも、トリシエ前ECB総裁やゴードンブラウン元英国首相(元財務大臣)などをアドバイザー契約しています。
日本の国債は投資妙味がないから日銀出身者はアドバイザーにいないのでしょうか。
ピムコは債券専門の運用会社であり、主要国の金融政策は非常に重要です。
そのため主要国の中央銀行の幹部をアドバイザーにして情報を得ようとすることは非常に理にかなっていると思います。
ファンドのパフォーマンスにも好影響を与えているようで、運用資産残高も年を追うごとに大きくなっています。