米国リート時価総額トップはアメリカンタワーに
前回の記事で、米国リートはセクターによってパフォーマンスにバラつきが出ており、直近はショッピングモールなどの商業・小売が不調で、逆に無線基地局などを保有するインフラ関連のリートが好調であると掲載しました。
長らく世界のリート市場で時価総額トップを誇っていたのはサイモン・プロパティ・グループ(SPG)でした。
サイモン・プロパティ・グループ(SPG)は世界10か国以上に200以上のショッピングモールを保有しています。
日本でも三菱地所との合弁で事業を行っており、静岡の御殿場プレミアムアウトレットなどを所有しています。
近年、アマゾンを初めとしたEC市場拡大により、実店舗であるショッピングモールの業績が伸び悩んでいます。
その影響でサイモン・プロパティ・グループ(SPG)の株価も2016年7月の高値から30%下落しています。
そのサイモン・プロパティ・グループ(SPG)を抜いて現在、時価総額1位になっているのが、アメリカンタワー(AMT)です。
アメリカンタワー(AMT)は携帯電話等の無線通信向けのタワーを所有しています。
モバイルデータ通信は当面高い成長が見込まれています。
また、データセンターも同様に高い成長が見込まれており、これらを保有するインフラ関連リートは時価総額を増やしています。
- ちなみにその後、アメリカンタワーは大きく上昇し、時価総額が10兆円を超えました:米国REITには10兆円銘柄が存在する / アメリカン・アワー
下記に米国リートの時価総額上位を掲載しますが、いつのまにか時代の流れを反映した銘柄構成に変化しています。
米国リートの時価総額ランキング(2017年6月)
米国リートの時価総額トップ10を掲載します。(2017年6月現在)
- アメリカンタワー(AMT):インフラ(無線通信向けのタワー)
- サイモン・プロパティ・グループ(SPG):商業・小売(ショッピングモール)
- クラウン・キャッスル・インターナショナル(CCI):インフラ(無線通信向けのタワー)
- エクイニクス(EQUX):インフラ(データセンター)
- パブリックストレージ(PSA):倉庫(セルフサービス倉庫)
- プロロジス(PLD):物流施設
- アバロンベイ・コミュニティーズ(AVB):住居
- ウェルタワー(HCN):老人ホーム、ヘルスケア施設
- エクイティ・レジデンシャル(EQR):住居
- ウェア・ハウザー(WY):森林
従来型のオフィス・住居・商業だけでなく、時代に合わせた新しい用途が上位に来ています。
米国は株式市場でも世代交代が活発で結果的にNYダウも長期的に上昇しています。
こういったところに米国の強さを感じます。
米国株式市場の主力銘柄の変遷はこちらを参照してください!
米国リートのポイントや詳しい解説はこちらを参照してください!