北朝鮮、シリアなどの地政学リスクの高まりから金(gold)の価格が上昇してきました。(僅かな上昇ですが)
金(gold)は米ドルとは逆相関で米ドルの代替資産とも言われます。
戦争などで世界が大混乱して基軸通貨の米ドルすら信用できなくなったら、最後の頼りは金(gold)しかないということでしょうか。
そこまで行かなくてもリーマンショック後の米国の金融緩和で米ドルが大幅に下落した時も金(gold)は大幅に上昇しました。
この時はFRBが量的金融緩和(QE)の一環で国債等の買入れを行い、FRBのバランスシートが拡大するタイミングでドル安・金(gold)高が進みました。
よって、広い意味でのリスクヘッジとして金(gold)を一部保有しておくと、万が一の時の助けになるかもしれません。
そこで、金(gold)に投資する場合、どのような商品に投資するべきかを考えてみます。
- 現物
- 投信(金先物が投資対象)
- ETF(金先物が裏付け資産)
- ETF(現物が裏付け資産)
まず、現物はコストと安全面から多額の投資には向いていません。
純金積立などよくCMでも見かけますが、売買コストが高すぎます。
また、保管も大変です。数百万円レベルであればなんとかなりますが、数億円になると数十キロの重さになるので大変です。(例えば1グラム=5000円の場合、1億円は20kgになります)
投信は一般的に投資対象が金先物になりますが、先物の場合はロールコストの分だけ現物よりもパフォーマンスが悪くなります。
ETFでも裏付け資産が金先物の商品は同様にロールコストの問題でベストではありません。(原油の場合はETFもすべて先物が投資対象であり、ロールコストが大きく長期投資には向いていません)
ベストは現物が裏付け資産となっているETFです。
ETFの場合、コストも安いので長期間保有してもほぼ金(gold)のスポット価格と同じパフォーマンスになります。
- 先物のロールコストについてはETFの概要(原油等コモディティ関連ETFは注意が必要) - ファイナンシャルスターを参照して下さい
注意していただきたいのは上記でも触れましたが、ETFの中でも裏付け資産が現物と金先物では別物だということです。
金(gold)ETFは東証にも複数上場しており、同じ投資対象で同じリスクを負うのであればしっかりリターンを享受できるものに投資しましょう。
ちなみに金(gold)の場合はドル建ての方が分かりやすい人も多いと思います。
その場合は海外ETFである「iシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)」や「スパイダー・ゴールドシェア(GLD)」がオススメです。
こちらも現物が裏付け資産のETFですので長期保有しても問題ありません。
昔は金投資といえば現物(純金)投資が中心でしたが、現在はETFという非常に優れた投資対象がありますので、こちらの活用をおすすめします。