外国人投資家のJ-REIT売りに関するニュースを見て「ドル建てJ-REIT(ドル建て東証REIT指数)」のパフォーマンスが気になりました。
他のサイトでは情報が見つからなかったので当サイトでチャートを作成してみました。
直近の円安の影響もあり、外国人投資家から見たJ-REITは日本人から見るよりも更にパフォーマンスが悪く見えているようです。
外国人投資家はJ-REITを大幅に売り越し
2021年~2024年は日本株が上昇する中、J-REITは低迷しています。
最大の要因は金利上昇です。
10年国債利回りは2016年~2021年まで0%前後で推移していましたが、2022年から上昇傾向となり2024年12月には1.1%台に達しました。
この金利上昇を懸念して外国人投資家がJ-REITを大きく売り越しています。
下記は日本経済新聞(2025/1/17)の記事です。
東京証券取引所が16日発表した不動産投資信託(REIT)の投資部門別売買状況によると、海外投資家は2024年の年間で1166億円の売り越しだった。売り越し幅は15年(1618億円)以来、9年ぶりの大きさとなった。海外マネーの流出が低迷の一因になった。
海外投資家の売り越しは2年連続。23年は66億円の売り越しだった。売り越し幅拡大の要因のひとつが日銀の金融政策だ。日銀は24年3月にマイナス金利政策を解除すると、7月には利上げに動いた。金利の先高観が続き、REITの資金調達コストが高まるとの懸念が市場全体の重荷になった。
2024年のJ-REIT投資部門別売買状況によると海外投資家が1,166億円の売り越しとなりました。
この記事を見て海外投資家からみたJ-REITのパフォーマンスである「ドル建て東証REIT指数」がどのような推移になっているか気になったので紹介します。
ドル建てJ-REIT(ドル建て東証REIT指数)の長期チャート
「ドル建て東証REIT指数」「東証REIT指数」「ドル円レート」のチャートを紹介します。
まずは、「ドル建てJ-REIT(ドル建て東証REIT指数)」です。
次に円建ての「東証REIT指数」です。
最後に「ドル円レート」です。
直近高値の2021年7月から2024年12月までのパフォーマンスを比較すると円安が進んだ分、ドル建てJ-REIT(ドル建て東証REIT指数)のパフォーマンスが悪化しています。
- ドル建てJ-REIT(ドル建て東証REIT指数):-46.5%
- 円建てJ-REIT(東証REIT指数):-23.5%
日本人目線で見てもここ数年のJ-REITのパフォーマンスは悪く見えますが、海外投資家から見るとさらに悪く見えています。
ただし、J-REITはバリュエーション的には割安な水準まで低下しています。
ドル円レートの円高転換が、海外投資家のJ-REIT買いのきっかけになるかもしれません。