2017年11月16日に「AIで運用する投信のパフォーマンスをチェック」という記事を書かせていただきました。
当時はAIで運用する投信がブームとなってから1年弱であり、短いトラックレコードでの比較でした。
ようやく運用実績が2年前後のファンドも増加してきたので、今回アップデートさせていていただきます。
ちなみにここで挙げるAI投信はAI関連の銘柄に投資するファンドではなく、AIを使って投資判断を行うファンドです。
まず、投資対象が日本株のAI投信から見ていきます。
日本株で運用するAI投信のパフォーマンス比較
前回の記事では2つのファンドを取り上げました。
アストマックス投信がヤフーのビックデータを活用して運用する「Yjamプラス!」とT&Dアセットが運用する「日本株ロボット運用投信(カブロボファンド)」を取り上げましたが、カブロボファンドは運用資産が増加せず2019年3月に償還しています。
よって今回は「Yjamプラス!」のみのパフォーマンスをチェックします。
- 「Yjamプラス!」の商品概要についてはこちらを参照してください:AI投資/AIファンド/AI運用/人工知能による投資 - ファイナンシャルスター
TOPIXとの比較です。
動きはTOPIXとほぼ同様で、2019年に入ってからかなりパフォーマンスが劣後しています。
これではあまり投資する意味がありません。
次に投資対象が世界株のAI投信を確認します。
世界株で運用するAI投信のパフォーマンス比較
こちらは前回紹介したGSAMが運用する「GSグローバルビックデータ投資戦略Bコース」に加え、アセットマネジメントOneが運用する「AI(人工知能)活用型世界株ファンド」のパフォーマンスをチェックします。
MSCIワールドとの比較です。
こちらも日本株と同様、インデックスにかなり近い動きとなっていることに加え、足元のパフォーマンスは劣後しています。
これではなかなかニューマネーを獲得するのは厳しい状況です。
AIファンドは人間の運用に近い?
上記の結果、人間のファンドマネージャーが運用するアクティブファンドと同様の傾向が表れています。
- インデックスに近い動きとなる
- パフォーマンスがインデックスに劣後する
AIファンドはこれからも進化していくと思われますが、今のままでは低コストETFへの流れは止まりそうにありません。
今後、AIの進化を期待すると共に、もう少しインデックスにとらわれないアクティブなファンドが出てくることを期待します。