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92%プットオプション売却(ターゲット・バイイング)戦略は安定運用に最適

投稿日:2023年12月3日 更新日:

こちらのページでは『日経平均のプットオプション(権利行使価格92%)を売却』する投資戦略について解説します。

「プットオプションの売り」はターゲット・バイイング戦略とも呼ばれます。

近年、この戦略を活用した投資信託も発売されています。

<92%ターゲットバイイング戦略を活用した投資信託の例>

  • Jプレミアム・インカムファンド(日経平均の92%プットオプションを売却)
  • プレミアム・キャリー戦略ファンド(S&P500の92%プットオプションを売却)

これらの販売資料を見ると極めて高い安定性が確認できます。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略は株式市場が上昇している局面はもちろん、リーマンショック時等、株価が大きく下落している客面でも堅調なパフォーマンスを実現しています。

「日経平均92%プットオプション売却」の安定性をデータで確認

「日経平均92%プットオプション売却」戦略の長期チャート

下記がJプレミアム・インカムファンドの販売用資料から抜粋した「日経平均92%プットオプション売却」戦略の長期推移です。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略の長期推移

長期的に安定的に推移しているのが確認できます。

上記の期間で日本株が大きく下落したのはリーマンショック時とコロナショック時の2回です。

下記はショック時の高値からの最大下落率です。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略≫

  • 2008年9月29日~2008年10月27日:-29.4%
  • 2020年2月20日~2020年3月19日:-16.3%

日経平均

  • 2007年7月9日~2009年3月10日:-61.4%
  • 2018年10月2日~2020年3月19日:-31.8%

高値を回復するまで要した期間も含めた一覧です。

ショック時でも下落率は相対的に低く、回復までの期間も非常に短いことが確認できます。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略の月次リターンの推移

こちらでは月次リターンの推移を紹介します。

まず最初に日経平均の月次リターンの推移です。

2006年~2021年の192ヶ月で日経平均がマイナスになったのは83回でした。

次に「日経平均92%プットオプション売却」戦略の月次リターンの推移です。

2006年~2021年の192ヶ月で「日経平均92%プットオプション売却」戦略がマイナスになったのは11回のみでした。

年間でもマイナスになったのは16年で2回のみです。

しかも、リーマンショックが発生した2008年でもわずか2%程度のマイナスです。

これをみても、「日経平均92%プットオプション売却」戦略がいかに安定的な運用であるかが確認できます。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略の投資手法と安定的である理由

ターゲットバイイングとは

プットオプションを売却する戦略は「ターゲットバイイング」と呼ばれています。

投資手法はシンプルでプットオプションを売却するのみです。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略では権利行使価格が日経平均の92%となるプットオプション(期間:約1ヶ月)を売却します。

言い換えると日経平均を8%下の水準で指値買いする形となります。

1ヶ月間に日経平均が上昇したり、8%以内の下落であればオプションプレミアムを受け取るだけで終了です。

1ヶ月間に8%以上下落した場合のみ、「日経平均92%プットオプション売却」戦略にマイナスが発生します。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略が安定的である理由

上記に掲載した通り日経平均が8%以上下落しない限り、リターン=オプションプレミアムとなります。

日経平均が大きく下落すると当戦略もマイナスになりますが、一般的に株式が大きく下落するとボラティリティが上昇し、オプションプレミアムも上昇します。【上記長期チャートの下段に掲載の月次オプションプレミアムの推移を参照】

その為、一時的にマーケットが下落した場合でも、次回のオプションの更新(ロール)ではプレミアムが上昇するので当戦略のリターンも上昇します。

これにより、リーマンショック時・コロナショック時でも下落率が小さく、かつ、回復も早くなっています。

「日経平均92%プットオプション売却」戦略のまとめ

  • 当戦略は株価上昇局面はもちろん、下落局面でも安定的な推移が期待できる
  • 当戦略が下落するのは日経平均が1ヶ月に8%を超えて下落した場合のみ
  • 株価が大きく下落しても「ボラティリティ上昇→オプションプレミアム上昇→当戦略のリターン上昇」となり、早期の回復が期待できる
  • 株価が明らかに割安な局面では株式に投資すれば良いが、確信が持てないような局面では「日経平均92%プットオプション売却」戦略が有効
  • 注意が必要なのは、現在のマーケットでは8%下のプットオプション売却(ターゲットバイイング)が結果的に有効となっているが、この戦略を活用した投資が増えると有効性がなくなる可能性がある(どんな投資でも多くの人が参加すると有効性がなくなるケースが多い)
  • 過去の経験上、「バックテストではどんな局面でも上手くリターンが出ている戦略」というのは必ずしも将来も成功するわけではない

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