オーストラリアの2017年4月~6月実質GDP成長率が前期比+0.8%となりました。
景気後退の一般的な定義である2四半期連続のマイナス成長を経験していない期間が104四半期(26年)となり、オランダの記録を抜いて世界一長い経済成長となっています。
26年前というと1991年ですので、その後に発生した、アジア通貨危機、ロシア危機、ITバブル崩壊、リーマンショックなどの際も景気拡大を続けたことになります。
本当に立派です。
前年同月比の実質GDP成長率は1.8%とオーストラリアにとってはそれほど高い数字ではありませんが、金融緩和の効果もあり来年にかけて年率3%程度の成長に加速する見通しです。
オーストラリアは過去数年に渡り、利下げによる金融緩和を行っており、政策金利は2016年8月以降、過去最低の1.5%となっています。
ちなみに米国は利上げ局面で政策金利であるFFレートは1.25%となっています。
もしかすると豪ドルと米ドルの政策金利が逆転する可能性もあると考えていましたが、足元の経済環境を考えると米国の追加利上げはもう少し先になりそうな状況で、逆にオーストラリアは利上げに転換することも視野に入りそうな感じです。
他の記事にも書きましたが、過去に米国とオーストラリアの金利が逆転した時は大きく豪ドルが売られていたので注意していましたが、とりあえずは回避されそうです。
米国とオーストラリアの金利が逆転した際の豪ドル/米ドルの推移はこちらを参照してください!
それにしてもオーストラリアの経済成長はうらやまし限りです。
先日の日経新聞にも掲載されていましたが、これだけ安定した経済成長が可能な理由は人口の増加が大きく影響しています。
オーストラリアの人口は2017年現在で2400万人程ですが、長年、移民制度を活用しながらうまく人口をコントロールしています。
人口の約25%にあたる600万人程度が移民とされています。
オーストラリアの人口推移(1990年以降)
- 1990年:1717万人
- 1995年:1812万人
- 2000年:1914万人
- 2005年:2031万人
- 2010年:2217万人
- 2017年:2400万人
これをみると人口増は経済にとって非常に重要であることが分かります
日本も少しマネをしても良いのではないでしょうか?
日本もオーストラリアと同様に暮らす環境としては人気がある国のはずですから、多少ハードルを上げて優秀な人しか移民として受け入れない仕組みにしても、ある程度の需要はあるはずです。
そうすれば治安の問題も発生しません。
豪ドルや豪ドル債で運用する投信についてのセールストーク等はこちらをご覧ください!